防災対策には事前の準備が重要! 子どもを守るための心構えと施設の耐震化

防災対策

日本は地震をはじめ自然災害が多い国です。災害はいつ起きるかわからないことから、日ごろからの防災対策が欠かせません。
しかしながら、非常時の行動を確認していない人はかなり多く、いざというときに落ち着いて行動するためにも、事前の備えが重要です。こうした備えは各家庭で行うべきものですが、子育て世代の人たちにとっては、保育園などの施設の安全性も気になるところでしょう。子どもが一日のうち長い時間を過ごす幼稚園・保育施設の建物は高い耐震性が求められますが、実際には、各地の児童関係施設の耐震化はどれほど進んでいるのでしょうか?
今回は、災害時の備えと児童関係施設の耐震化についてお伝えします。

世間における防災対策への問題意識

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日本中いつどこにでも大きな地震が起きてもおかしくないといわれます。実際のところ、一般の人々はどこまで防災対策をしているのでしょうか?

ミキハウス子育て総研がママ・パパ向けに行った自然災害についてのアンケートによると、94%もの人たちが自然災害のなかでも地震について最も不安に思っていることがわかりました。

Q.不安に思っている「自然災害」は何ですか?

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その一方で、実際に地震が発生した直後やその後にどう行動すればいいか、避難場所までルート確認など、いわゆる避難計画について少々意外な回答結果となっています。

Q.ご家族で避難所までのルートや、非常時の行動を確認していますか?

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半数をわずかに超える人たちが、避難計画について家族全員で、あるいはママ・パパのどちらかが把握していましたが、それに対して半数近くの人たちが特に把握していないということでした。ほとんどの人が地震の怖さを認識していながらも、少なからずの人が非常時の備えや計画は後回しにしているということです。それゆえに、非常時にまず身の安全を守るためにも、建物の耐震性が重要だといえます。

また、防災対策が求められるのはおうちの中だけではありません。外出中に被災する可能性もあり、特に共働きで子どものいる家庭の場合はその可能性は高まります。そのため、家以外の場所で自分や家族が被災したときのことを考えておく必要があります。

同じアンケートでは、外出先で被災したときの備えとして、46%の人が出かけるときには家族に行き先を伝えるようにしています。次いで、携帯電話の充電器や飲料水、テレフォンカードや小銭を持ち歩くといったことを心がけている人もいます。行き先の確認と連絡手段の確保は早めの救出につながりますし、水分の確保も大事です。

Q.外出中の被災に備えて日頃から意識していることや、携帯を心がけているものはありますか?

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事前に防災対策を確認しておく大切さ

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地震はほんとうにいつ起こるかわからない、突発的な災害です。したがって、実際に地震が発生したときにとっさに命を守る行動を取れるようにするには、事前に防災対策を家族で確認しておくことが何よりも大切です。そこで、地震発生時からその直後、それ以降どう行動するかをシミュレーションしておきましょう。

地震が発生したら、まず、丈夫な机の下など安全な場所で姿勢を低くして頭を守り、揺れが収まるまで動かないようにします。倒れそうな家具や落下物がありそうな場所は避けますが、そのような場所で地震にあった場合はなるべく頭を守るようにしましょう。数分後、揺れが収まったら、落ち着いて周囲の状況および家族の安全を確認し、火の始末、ドアや窓を開けて避難経路を確保、閉じ込められた場合は大声などで外に知らせます。その後、非常持ち出し品を確認し、余震に注意しながら地域の避難所へと向かいますが、家を出るときにはガスの元栓を閉め、ブレーカーを落としましょう。これ以降は避難生活となりますが、地震発生から避難生活までの行動を、時系列にまとめたものを「地震用マイ・タイムライン」といいます。
マイ・タイムラインは地域の実情などを踏まえ、家庭ごとに作るものです。前もって作成し、家族で共有しておけば、被災時の避難に役立ちます。マイ・タイムラインはもともと風水害対策用に作られたものですが、地震用のマイ・タイムラインを用意してくれている自治体もあるため、それを元に作成することをおすすめします。地元自治体のフォーマットがみつからない場合は、こちらが参考になります。

京都市マイ・タイムライン(地震用マイ・タイムライン記入例)
https://www.bousai.city.kyoto.lg.jp/mytimeline/assets/pdf/mytimeline04-2.pdf

地震用のマイ・タイムラインを作るには、避難場所や緊急時の連絡方法、ペットの避難方法なども確認しておく必要があります。また、スムーズな避難のためには、食料や非常持出品の備蓄も必要になります。地震用マイ・タイムラインづくりは防災対策を始める良いきっかけにもなりますので、ぜひ挑戦してみましょう。

子どもが長時間過ごす保育園の耐震化状況は

過去の災害を振り返っても、家族が別の場所で被災するケースは数多く起きています。災害時に親が職場から帰宅困難になり、保育園や幼稚園にいる子どものお迎えが深夜に……といったことは今後も起こりえます。そのようなケースを想定すると、子どもたちが日常を過ごす場所や建物はしっかりと耐震化されていてほしいものです。

では、児童関係施設の耐震化の現状はどうなっているのでしょうか。厚生労働省によると、2016年3月の時点で全国の児童関係施設の耐震化率は87.4%でした。この数値は高く感じる方もいるかもしれませんが、子どもたちの安全を思うと、なるべく早く100%に達してほしいものです。
例えば、地震の揺れを面で受け止めて分散させる耐力面材や、高い耐震性を備えた天井を採用するなど、子どもたちの安全と避難時間の確保を目指す設備投資が求められます。

地震大国であるこの国において、子どもたちを安心して預けられる幼稚園・保育施設にはしっかりとした耐震化が必須です。もしもの場合に備えて日頃から対策をしておくようにしましょう。

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