畳はアレルギーが起きやすい?
ダニ・カビアレルギーの対策で快適に

畳の部屋でゆったり過ごすのは至福の時間、と感じている方も多いと思います。多目的に使えるメリットがあり、畳を敷いた和室の良さが見直されています。
しかし、畳はダニやカビなどのアレルギーを持つ人には良くない、といった話を耳にすることもあります。
そこで、今回は畳によってアレルギーが起きる原因や対策方法についてお伝えします。快適な畳ライフを過ごすために、ぜひ参考にしてください。

畳でアレルギー? 原因は?

畳でアレルギー? 原因は?

畳の部屋でアレルギーが起きたとした場合、どういった原因が考えられるのでしょうか。
アレルギーは、アレルギー物質「アレルゲン」が発生して体内に入り、体から排除しようと作用することで起こるといわれています。

畳そのものがアレルギーを起こすことは考えにくい

畳に関わるアレルギーは、畳そのものというより、畳に付着したアレルゲンが原因の可能性が高いと考えられます。
では、畳にどのようなアレルゲンが付着しているのでしょうか。

畳に付着するアレルゲンとは

畳に付着している可能性のあるアレルゲンの例としては、次のようなものが考えられます。

  • ダニ
  • カビ
  • 花粉
  • ホコリ
  • ハウスダスト
  • ペットの毛
  • 花粉
  • フケ

畳の上に、こうしたアレルゲンが発生・付着したまま放置されていると、アレルギーを起こしやすくなると考えられます。

畳はフローリングよりもダニやカビが発生しやすい?

畳は、フローリングに比べると、ダニの繁殖やカビの発生がしやすい床材といえます。
これは、畳の表面が自然素材の「イ草」からできているため、水分を吸収しやすく、畳の目に汚れが付着しやすいという特徴があるためです。そのため、お手入れを怠るとダニやカビの発生を招いてしまう原因となるのです。

ホコリが溜まったままになっているとアレルギーの原因に

ふわふわとした目に見えるホコリはもちろん、微粒子となっているハウスダストも、アレルギーの原因となります。
ハウスダストの中には、ダニ、カビに加え、ペットの毛や人間のフケ、花粉など多くのアレルゲンが含まれていて、複合的にアレルギーの原因となっているのです。

アレルゲンの中でも重要なのがダニ

室内環境におけるアレルゲンの中でも特に注目すべきなのがダニです。実は、生きているダニそのものがアレルギーを起こすのではなく、そのフンや死がい(体の一部分を含む)がアレルギーを起こす要因になるのです。ダニによるアレルギーの主な症状として知られているのは、目のかゆみ、鼻水、鼻づまり、くしゃみです。さらに、ぜん息を発症する人もいます。
ダニは寝具やクッション、カーペットなど、布製のインテリア用品に棲息することが多く、湿度60%、温度25~30℃の環境下で増殖します。ダニの繁殖時期は梅雨をまたぐ5月~8月頃がピークで、秋以降に大繁殖したダニの死がいやフンが粉状になって吸い込まれることでアレルギーが引き起こされます。

湿度の高い日本ではカビアレルギーにも要注意

湿度の高い日本では、室内の様々な場所でカビが発生・増殖しやくなっていることが少なくありません。そのため、カビアレルギーにも注意が必要です。カビは、水回り以外でも湿気がこもりやすく、締め切った湿度の高い環境であれば、畳やカーペットでも発生して繁殖します。カビの増殖に適した環境は、湿度70%以上、温度20~35℃です。
ハウスダストに含まれたカビや、空気中に舞い上がったカビの胞子を吸い込むことは、アレルギー性鼻炎やぜん息の原因となります。免疫力が低下している人は感染症に罹患することもあります。

※出典:アレルギーポータル「アレルギー対策 室内環境の整備

畳の部屋でのアレルギー対策は

畳の部屋でのアレルギー対策は

畳の部屋でアレルギーが起きないようにするためには、どのような対策を講じたらよいのでしょうか

ダニ、カビを発生・増殖させないことが基本

室内環境のアレルギー対策では、まずアレルゲン物質を取り除くことが基本です。以上のことから、それはダニやカビなどを発生・増殖させないことといえます。そのためには、ダニやカビが発生・繁殖しづらい環境にすることを考えなければなりません。そこで有効なのが、風通しをよくして湿気がこもらないようにし、普段からこまめに掃除をすることです。

ダニ、カビの好む環境をつくらない

ダニやカビは、湿度の高い環境が大好きです。高湿度と適度な温度、栄養の3つがそろうと発生しやすくなります。
室内の換気をよくして、湿度は60%以下に調整し、畳を乾燥した状態に保ちましょう。しっかりと対策をしておくと、ダニやカビの発生を抑える効果が高まります。

ホコリを溜めないためには毎日の掃除が基本

アレルゲンの塊となるホコリを溜めないように、掃除は毎日しましょう。イ草の畳に掃除機を使う場合は、優しくかけるのがポイント。1畳あたり30秒程度で、畳の目に沿って丁寧にかけましょう。

拭き掃除は、から拭きが基本

畳の部屋でのアレルギー対策は

畳の掃除は、から拭きが基本。水拭きをすると水分が畳に吸収され、ダニやカビの発生につながります。
どうしても水拭きをする場合は、雑巾を固く絞ってから拭き、から拭きで仕上げるようにしましょう。

布団を敷いたままにしない

布団を敷いたままにしない

寝室などで、畳の上に布団を敷いている場合は、布団に寝汗がしみ込んでいることも。寝汗を含んだ布団を敷いたままにしておくと、畳が水分を吸収してカビやダニの発生を促してしまいます。
布団は押し入れに上げ下げするのが基本ですが、難しい場合は畳んで部屋の端に寄せておくだけでも効果があります。
お天気の良い日は外に干したり、布団乾燥機を利用したりして、なるべく湿気を溜めないようにしましょう。布団を干した後に叩くのは、ダニを浮かび上がらせることになるのでNGです。ゆっくりと掃除機をかけるようにしましょう。
また、ダニは洗い流すことができるので、寝具類は丸洗いできるものがおすすめです。

畳の上にはできるだけカーペットなどを敷かない

湿気の面では、畳の上にカーペットやラグを敷くこともあまりおすすめできません。どうしても必要な場合は、定期的に向きを変えるなど、こまめに空気を入れ替える工夫をしましょう。

水などこぼした場合は水分をしっかり抜く

畳に水などをこぼすとシミや汚れが残り、ダニやカビの発生原因になってしまいます。
水などをこぼした場合は、まず乾いた布やティッシュで水分を拭き取ります。この時、強くこすらないことが大切。あくまでも水分を吸い取るようなイメージです。
その後、畳の目に沿ってシミや汚れを雑巾で拭き、最後はドライヤーなどでしっかり乾燥しておきましょう。

ダニやカビに強くお手入れしやすい畳も登場

ダニやカビに強くお手入れしやすい畳がある?

畳替えなどリフォームするならアレルギー対策も考慮

畳替えやリフォームで畳を新調するなら、できるだけアレルギーの心配がなく、清潔に保てる製品を選びたいものです。メンテナンスの手間が少ないものが理想です。

イ草の畳には自然素材ならではの癒される香り、調湿機能などの魅力がありますが、現在では新素材を採用した高性能な畳も開発されています。

イ草以外の新素材を使った畳とは

畳には新素材として樹脂(ビニール)や和紙を使った畳もあります。

樹脂畳や和紙畳のメリットは、撥水性があって丈夫なこと。お手入れがしやすいため、アレルゲンになる可能性のあるホコリなどを取り除きやすく、カビやダニの発生を抑えられ、アレルギー対策になります。

畳の部屋があるお宅では、健康面からも「畳の素材」の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

※ここに掲載されている情報は2023年10月19日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。