生活騒音に関する苦情が増加!音に配慮して快適に暮らすために 生活騒音に関する苦情が増加!音に配慮して快適に暮らすために

生活騒音に関する苦情が増加!
音に配慮して快適に暮らすために

新しい生活様式に伴って在宅時間が増えたためか、役所や警察に寄せられる近隣住人の生活騒音に関わる苦情が増えています。騒音に対しての苦情は公害に関するものの中で最も多く、生活騒音には日常で発生する様々な音が含まれています。しかし、近隣の音を不快に感じる一方、自宅の生活音が外に漏れている可能性もあります。快適に暮らしていくためには、自分たちも騒音を出さないように配慮しながら、外からの騒音をシャットアウトすることが大切です。本記事では、そのための工夫を紹介します。

目次

生活騒音の苦情が増加中!その理由とは?

最近は、役所や警察に寄せられる苦情の中に近隣の生活騒音に関するものが増えています。近隣住民が発した1件の苦情で、子どもの遊ぶ公園が廃止となる事例も記憶に新しく、騒音問題は一人ひとりが見つめ直す必要のある大切なテーマであるといえます。総務省による公害苦情受付件数の推移グラフを見ると、大気汚染や悪臭、水質汚濁などと比較しても、騒音に関する苦情が上位を占めていることが分かります。

総務省|公害等調整委員会| 公害苦情調査 (soumu.go.jp)

令和4年7月に50年目を迎えた総務省の公害苦情調査「令和3年度公害等調整委員会年次報告」では、日本が経済成長期にあった当初、多数を占めていた「産業型」の苦情が、近年では「都市型」・「生活環境型」へと変化し、多様化していると報告されています。そして、寄せられる苦情にも次のような特徴があります。

  • 都市型・生活環境型店舗からの騒音や悪臭など、比較的小規模な事件が目立つ
  • 騒音苦情の割合が高い令和3年度は騒音をめぐる割合が最も高い

※総務省 令和3年度公害等調整委員会年次報告より抜粋

騒音とは?音の感じ方はそれぞれ

騒音とは不快に聞こえる音のことです。しかし、その音が不快に感じるか、感じないかの境界線は人それぞれで基準がありません。したがって、いくら規制を守っていても、相手に不快な音として認識されてしまうと、それは騒音ということになるわけです。

工場や事業場、建設作業、自動車、鉄道、航空機、生活など、私たちは暮らしの中で様々な「音」と接しています。それらは良くも悪くも、私たちの知らないうちに心や身体に影響しています。音は、分け隔てなく人の耳に届いてしまうものだからこそ、不快に感じられないような配慮が求められます。近隣の音を不快に感じる一方で、自宅の生活音が外に漏れ、周囲を不快にさせている可能性もあります。お互いが気持ち良く快適な暮らしをおくるためには、音をいかに制御するのかが、大切なポイントだといえるでしょう。

これって騒音?音に配慮するとはどういうこと?

音の大きさを表す単位として使われるdB(デシベル)という言葉をご存知の方も多いでしょう。dBは人に聞こえる最小の音を基準として、その何倍の大きさかを数値で表す際の単位です。つまりdBの値が大きい音に対して、私たちは「うるさい」と感じるのです。一般的には70dB以上でうるさいと感じ、90dB以上の音が長時間に渡って鳴り続けると、我慢が出来なくなるといわれています。そして110dB以上の音を聞き続けると聴覚機能に何らかの異常をきたしてしまう恐れが生じます。

日常生活の中でストレスを感じずに暮らせる音は50dB以下が目安となります。睡眠時においては、人によって 静かな空間でないと眠りに就けず、ストレスを抱えてしまうケースもあるようです。暮らしの中で発生する音は、それぞれ次のような数値となっています。

掃除機
約60~76㏈
洗濯機
約64~72㏈
エアコン
約41~59㏈
ピアノ
約80~90㏈
テレビ
約57~72㏈
犬の鳴き声
約90~100㏈
子どものかけ足
約50~66㏈

掃除機や洗濯機などの家電品や楽器、犬の鳴き声は、全般的に音が大きいので多くの人が騒音と感じ、子どものかけ足やエアコンの音は気にする人と気にしない人に分かれるでしょう。

参考:生活騒音|東京都環境局

リフォームでできる防音対策にはどんな方法があるの?

生活音や騒音など、無意識に聞こえる「音」。一般的な防音対策で最初にすべきなのは音の抜け道を遮断することです。
防音対策はリフォームの際でも可能です。建物に隙間があると空気を介して音が出入りしますので、具体的には窓や扉、換気口などの隙間をいかに塞ぐかを考えます。

既存の窓ガラスに内窓を取り付ける「二重サッシ」は、導入することで気密性が上がって空気が遮断されますので、外窓と内窓の間に生じる空気の層がクッションとなって防音性能が高まります。また、窓と同じくドアは壁に比べて厚みがないため、わずかながら隙間ができてしまいますので、防音扉に取り替えてみるのも有効な方法です。

現在、新しく建てられる住宅には、24時間の換気が義務付けられていますが、これも音を内外に通してしまう要因となっています。防音用のフードやサイレンサーなどを備えて音に配慮した換気システムもありますので利用することをおすすめします。

ちなみに、古い木造住宅の場合、表面的な防音対策のみでは効果が限られてしまうことも少なくありません。壁、床、天井の内部にグラスウールなどの吸音材を入れ、仕上げ材の下に遮音材を入れたり、仕上げ材に吸音材を組み合わせたりすることもあります。

リフォーム時の音対策にかかるコストは、どのくらいのレベルまで防音するかということや、工事の方法と使用する素材や種類、広さなどによって大きく変わります。効率的で無駄のないリフォームをするためには、どの場所の、どんな音を、どの程度抑えるのか明確にしたうえで、最適な防音リフォームを選ぶべきでしょう。

※ここに掲載されている情報は2023年1月17日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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