壁に使う吸音材のおすすめとは?防音対策のための選び方や注意点について徹底解説 壁に使う吸音材のおすすめとは?防音対策のための選び方や注意点について徹底解説

壁に使う吸音材のおすすめとは?
防音対策のための選び方や注意点について徹底解説

自宅の防音対策をする場合、壁への吸音材設置を検討される方が多いでしょう。

しかし、適切な吸音材の選び方を知らない場合は、本来の効果を発揮することができません。実際賃貸物件を借りた際に後悔したポイントのTOP3に「騒音・防音についての不満」があり、壁の薄さや防音対策についての懸念があると言えるでしょう。つまり、アパート経営やリフォームの際には「どれだけ防音ができているか」は借主の方が気にする大きなポイントです。

防音対策がしっかりできることで入居率も変化し、新築の場合でもすでに建てられた住居でも防音対策をすることでより売買しやすくなるでしょう。

そこで今回は、おすすめの吸音材の選び方とともに設置する際のポイントや注意点を解説します。リフォームや住宅販売に携わる法人の方も是非、本記事を参考に正しい吸音材を選んで対策を行ってください。

目次

吸音材とは

吸音材とは
壁材:オトピタ03〈ベージュ〉
オトピタ04くさび〈ベージュ〉

吸音材とは防音アイテムの一つで、家庭の防音対策に多く使われています。吸音材は音を吸収する性質をもっていますが、なぜ音を吸収することができるのでしょうか。

以下では吸音材の性質や原理をご説明します。

吸音材の性質

吸音材とは空気中に伝わる音のエネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換することで音を減衰させることができる素材のことです。

室内で発生する音の反響を抑え、音があまり響かないようにする他、音の響きを調節する効果もあります。

また、吸音材はグラスウールやロックウールなど、建築の材料として天井や床、部屋の壁に多く用いられます。

吸音の原理

吸音材はいくつかのタイプに分かれますが、多孔質型の吸音材が使用されることが多いです。多孔質とは小さな穴が多く空いている構造を持つものを指します。

吸音の原理は、多孔質素材の小さな穴に音が入り込み、穴の中で音が拡散することによって周壁との摩擦や粘性抵抗が生じて、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、反射音が小さくなる仕組みになっています。

波長が短い高音域は、薄い吸音材でも吸音効果を発揮しますが、波長が長い低音域は吸音材に厚みがないと吸音効果が発揮されにくい傾向があります。

吸音材を選ぶ際は、音の波長や防音の目的に合わせて吸音材を選ぶようにしましょう。

吸音率

吸音率とは吸音の大きさを数値で表したものです。

音が材料に入射するとその一部は反射され、一部は透過し、一部は吸音されます。
吸音率は入射した音エネルギーに対して反射されない音エネルギーの比率を示します。

吸音材料は施工の方法によって吸音性能が大きく変化します。

吸音材料の厚みを増したり、複数の吸音材料を重ね合わせたり、背面に空気層を設けたりすることにより吸音率の値は変わります。

また、材料表面の材質によっても吸音率が異なるので、表面加工を施す場合には注意が必要です。

壁の防音対策に吸音材がおすすめな理由3選

壁の防音対策に吸音材がおすすめな理由3選
壁材:オトカベL80W300タイプ〈ML〉
オトカベボーダーW300タイプ〈ML〉

住宅の中で定番の防音場所といえば、部屋の壁を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。家で音楽をかける場合や、小さな子どもがいる場合は、近所に音が漏れないようにしっかりと部屋の壁を防音対策をすることをおすすめします。

壁の防音材には、遮音材と吸音材の二種類があります。遮音材は、遮音シートなど個人でできる遮音対策を除いて、壁の下地として設置することが多いので個人で設置することは難しく、業者へ依頼する必要があります。

以下では壁の防音対策として、吸音材がおすすめな理由を三つ紹介します。

理由1.簡単に設置可能なアイテムが多い

吸音材は、室内の空気に触れた状態で機能するため、壁に直接設置できるパネルやシート状のものが多く、自分の手で簡単に設置することが可能なものもあります。

例えば、ジョイナーを使って吸音材を取り付ける方法が簡単な設置方法としてよく挙げられます。
ジョイナーとはコの字型の塩ビ製の部材のことで、両面テープなどで壁に貼り付け、ジョイナーのコの字部分に吸音材をはめ込むだけで出来上がります。

ただし、吸音材はメーカーや用途、目的とする防音効果の大小により様々なタイプがあるため、購入する前に設置方法の確認をしましょう。

理由2.音がクリアに聞こえる

吸音材を利用することで音の反響や残響を抑えることができ、音がクリアに聞こえます。

吸音材を使用せず遮音材のみを使用した場合、音を通さず反射するので音のエネルギーは減衰しにくくなり、部屋で音を発した際にエコーがかかったような反響音が聞こえます。

例えば、狭い部屋で楽器を演奏すると音が響いて耳が痛くなったり、会議室などでは喋っている言葉がこだまして聞き取り辛くなります。

反響音を防ぐためにもエネルギーを減らせる吸音材は効果的な対策と言えるでしょう。

理由3.コストを抑えられる

自分で取り付けられるタイプの吸音材は非常に値段の安いものから、高いものまで様々な種類が販売されています。

そのため、求めている吸音効果によっては吸音材の購入費用が高くなる可能性はあります。

しかし、業者に施工してもらう防音室に作業費用がかかることと比べると安価で設置することができます。

壁に使う吸音材の正しい選び方4選

壁に使う吸音材の正しい選び方4選

吸音材には様々な素材や性能、種類があります。

それぞれの機能を理解せずに購入すると、用途に合わなかったり設置できなかったりと吸音材を購入したものの、効果が発揮されません。
吸音材を効果的に活用するためにも、吸音材の正しい選び方を理解した上で購入を検討しましょう。

1.防音に適している素材か確認する

吸音材には、ロックウールやグラスウール、ポリエステル、ウレタン系、フェルト系など様々な素材があります。

壁に吸音材を設置する際にはまず、設置可能な素材かを確認しましょう。

例えば、ゴムシートの上に不織布を貼っても防音の効果は発揮されません。あらかじめ素材の性質を理解した上で吸音材を選びましょう。

また、遮音シートなどの他の材料を併用することで防音効果を発揮できる場合もあるので、業者や専門家に相談して選定することをおすすめします。

2.防音に適している種類か確認する

吸音材は種類によって防音性能が変わるため、壁の適正だけではなく、求めている性能を持っている種類を選ぶ必要があります。

吸音材の中には、シート状の薄い材料もありますが、防音効果を得るためには十分な面密度が重要です。

一般的に吸音材は、シート状のものと比べると、パネルや板状タイプの方が壁の吸音材として高い効果を発揮します。

求めている防音効果を発揮する吸音材を選ぶようにしましょう。

3.設置方法が簡単か確認する

吸音材は、設置方法が簡単なものが多いですが、中には複雑な設置方法の吸音材もあります。

例えば、ロックウールなどの吸音材はカットした際に断面が少しチクチクするので、テープなどで補強する必要があり少し手間がかかります。

また、壁の高い部分に設置する際は落下してくる恐れがあるので、しっかり固定する必要があります。

自分で設置できず、業者に依頼する必要があれば、余計なコストや時間がかかってしまいます。設置時のコストを抑えるためにも購入前には、設置方法の難易度を確認するようにしましょう。

4.インテリアに合っているか確認する

吸音材は遮音材と違い、普段の生活の中で見える位置に設置することが多いため、色柄やテクスチャーを重視する必要があります。

ロックウールやグラスウールでできた吸音材に防音効果はありますが、仕上げ材として使用することはできないため、壁の吸音材には不向きです。

機能だけでなく部屋の雰囲気やインテリアに合っているかも確認しましょう。

デザイン性を重視した、お洒落でカラーバリエーションのある高機能な吸音材なども販売されているので、部屋の雰囲気と照らし合わせながら選ぶようにしましょう。

壁に吸音材を設置する際のポイント

壁に吸音材を設置する際のポイント

吸音材の素材や種類を選んだ後は、いよいよ設置にかかります。

設置場所を間違えると上手く防音効果が発揮されないので、ポイントを抑えて吸音材を設置するようにしましょう。

ポイント1.一次反射点に設置する

吸音材は、一次反射点に設置するようにしましょう。
一次反射点とは、発射音が壁や天井に対して反射する最初の反射点を指します。

吸音材を部屋の壁に設置する際に、対面壁の吸音材を互い違いにした場合、反射される音波と吸収される音波に左右で違いが生じます。

そのため、吸音材は部屋の左右対称、前後対称の均等配置にすることをおすすめします。

ポイント2.防音すべき優先順位をつける

予算やスペースが十分にないため、部屋全体に吸音材を設置できない場合は、特に大きな反射音が返ってくる箇所を優先して設置しましょう。

テレビやスピーカーの後ろは最も大きな反射音が出やすい箇所のため、優先して吸音材を設置しましょう。スピーカーの後ろは低音がまわり込むため、厚めの吸音板や吸音フォームの設置をおすすめします。

次に、部屋の幅が狭い場合は側壁に、部屋の幅が広い場合は背面の壁に設置するのが良いでしょう。

実際に設置してみて、防音できているか確認した上で調整するようにしましょう。

壁に吸音材を設置する際の注意点3選

壁に吸音材を設置する際の注意点3選

吸音材は、多く使えばその分効果が発揮できるというわけではありません。

吸音効果を最大限発揮させるには、以下の3つの注意点に気をつけて設置しましょう。

注意点1.湿気を含みやすい

吸音材は多孔質な構造をしているため多くの空気層があり、湿気の多いところでは水分を吸収しやすくなります。

そして、吸音材が湿気を含むことで重量が増えると、吸音効果は減少してしまいます。

また、湿気を含まないようにシートで吸音材を養生するといった手法を用いられることもありますが、養生テープも貼り付け過ぎると吸音性能の低下に繋がります。

吸音材の効果を長く保つためには、設置する環境を考慮する必要があります。換気や除湿機の設置など、部屋の湿度調節に注意するようにしましょう。

注意点2.吸音箇所を決めておく

音源によって吸音材を設置すべき箇所が変わってくるので、テレビやスピーカーの位置を考慮して、あらかじめ吸音箇所を決めておくようにしましょう。

吸音材を音源の正面に設置する場合と、両サイドや背面に設置する場合では吸音率が変わるため、当然音の聞こえ方も変わってきます。

また、吸音材の量が少なければ残響が残ってしまい、多すぎると不自然なまでに反射音がなくなってしまいます。

家具の配置や人の密集度によっても吸音効果が変わるので、行動動線を考慮した上で、求めている吸音効果を想定して吸音材を貼る位置や量を調整しましょう。

注意点3.設置方法が難しい

吸音材は、表面に凹凸がある素材が多いため、壁に設置する際に両面テープなどで貼り付けようとしても、剥がれやすくなってしまいます。

吸音材を固定するにはホットボンドがおすすめですが、賃貸物件に住まわれている方は壁に傷がつかないように注意しましょう。壁にマスキングテープを貼り、上からブチルテープ(気密性・耐久性に優れた防水テープ)を貼ることで固定しやすく、傷の予防にもなります。

最近では、工事不要・簡単施工・賃貸OKなどを売りにした、手軽に防音対策ができる吸音パネルも販売されています。

吸音材にも様々な素材や種類があるので、自分で設置する場合には比較的簡単に設置できるものを選びましょう。

吸音材壁のまとめ

壁の防音対策として吸音材の特徴や原理、正しい選び方についてご紹介しました。

利用方法や設置する位置によっては吸音効果が最大限に発揮されない場合もあるので、正しい使い方を理解した上で吸音材を選ぶようにしましょう。

最近では、インテリアに合わせやすいようにデザイン性が高い吸音材も多く見受けられるので選びやすくなっています。

また、吸音材はあくまで音を吸収するものなので、吸収した音を遮断するための遮音材と合わせて使用することで更なる防音効果を発揮することができます。

吸音材の材質や設置に不安を感じる場合は、専門分野の会社や業者に相談してみるのも一つの手段です。

本記事を参考に、防音する目的やコストに合わせて最適な吸音材を見つけましょう。

※ここに掲載されている情報は2022年09月26日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

おすすめの関連コンテンツはこちら