建築資材の総合企業から、空間全体の快適さも提供する企業へ。DAIKENの「音環境ソリューションプロジェクト」は、長年培ってきた「音」の技術を武器に、音の響きや音漏れといった課題を解決し、快適に働ける環境を実現するという新たな市場を切り拓く挑戦です。今回は、プロジェクトを牽引する営業・企画・開発、それぞれのメンバーにインタビュー。部門の垣根を越えた挑戦の道のりと、その先に見据えるDAIKENの未来について語っていただきました。

参加メンバー MEMBER

S.O営業

S.O2007年入社

開発営業部 営業課 課長

熊本・福岡・広島など各営業所で既存・新規顧客開拓や売上拡大、少人数での効率的施策を推進。労働組合本部書記長として課題解決に尽力。開発営業部では新規事業・設計提案も担当し、幅広い営業経験を基に営業課目標数字へ邁進している。

A.N企画

A.N2011年入社

建装事業戦略部 イノベーション課
(ソリューションビジネス担当)
兼)音響製品部 事業企画課

大学院では建築音響を専攻。入社後は防音建材・音響製品を取り扱う建築音響部(現:音響製品部)に配属され、技術支援を行うサウンドセンターで北海道から首都圏までの東日本エリアを担当。技術的な面から製品拡販に努めた。その後、音響製品部 企画課を経て建装事業戦略部に異動。音環境ソリューションの事業化を目指して日々奮闘中。

Y.Y開発

Y.Y2023年入社

音響製品部 開発課
兼)建装事業戦略部 イノベーション課
(ソリューションビジネス担当)

大学院では音のデザインを専攻。入社後はサウンドセンターに配属され、中国・九州を中心に防音室や防音建材の販売拡大に尽力した。入社年に音環境ソリューションプロジェクトの立上げメンバーに手を上げ、以降プロジェクトの技術担当を務める。現在は開発課に所属し、非住宅の音漏れや音の響きを改善する建材の開発に従事している。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時(2025年)時点の情報です。

それぞれの立場から挑む、
DAIKEN新たな一手

まず、「音環境ソリューションプロジェクト」がどのようなものか教えていただけますか?

A.NA.N

DAIKENが長年培ってきた天井やドア、床などのモノづくりの知見、特に「音」に関する技術を活かして、お客様の課題を解決する「コト」提案へと事業を進化させるための全社横断プロジェクトです。

なぜこのプロジェクトが発足したのでしょうか?

A.NA.N

コロナ禍以降、オンライン会議の普及で会議室内の音の響きや、音漏れといった、オフィスの音環境の問題が顕在化し、快適な音環境へのニーズが高まりました。その背景には、以前に比べて健康や心の豊かさが重視され、「ウェルビーイング」に関する意識が高まっていることもあります(※ウェルビーイング=身体的、精神的、社会的に良好で、持続的に幸福な状態のこと)。そこで生まれたのが、オフィスの快適な音環境の実現をお手伝いする「音マップPro」です。

皆さんは、このプロジェクトでどのような役割を担っていますか?

S.OS.O

音環境ソリューションの営業として、お客様にソリューションを提案し、受注するまでの提案活動を主に担当しています。従来の建材の営業とは異なり、前例や答えのない挑戦なので、お客様の本当の課題は何かを探りながら、ソリューションを形にしていくのが私の役割です。

A.NA.N

ソリューションビジネス担当は今までにない新しいサービスを生み出す部署です。私は主に企画担当として、どうすればこのプロジェクトが実績化するのか、そのためにはどんなサービスや製品が必要なのかを考え、音響製品部や開発営業部などの事業部や営業部と共に形にする役割です。

Y.YY.Y

私は音響製品部の開発課に所属し、「音マップPro」シミュレーションの実務作業や、お客様とやり取りする際に音の技術支援を行っています。ソリューションビジネス担当と一緒に、お客様の声から製品の企画を考え、形にしていく活動も行っています。

 試行錯誤の先に見えた、
「音の価値」を届ける面白さ

未知の市場を開拓する上で、どんな苦労がありましたか?

S.OS.O

当初は本当に手探りでした。どの企業にアプローチすべきかも分からず、なんとか提案に漕ぎ着けても期待した反応が得られないこともありました。適切な提案先を見つけるまでは本当に試行錯誤の連続でした。

A.NA.N

そうでしたね。同じ企業の中でも提案先の部署によって反応が違いました。その方の業務内容次第で、「どう使って良いか分からない」と言われることもあれば、「わかりやすい!」と高く評価していただくこともありました。

どのような点が高く評価されたのでしょうか?

A.NA.N

設計図面の段階で、会議室内の音の響きや隣の会議室や廊下への音漏れを可視化・可聴化でき、音環境を事前に予測できるようになった点が評価いただけました。これにより「現状の仕様ではこれくらい音が漏れるが、この構造に変えればここまで抑えられる」といった費用対効果の具体的な説明ができるようになりました。音に関する要望は言語化しにくく、同じ音でも人によって感じ方が違います。私たちのサービスは関係者全員が共通認識を持つことができるので、完成後の「こんなはずじゃなかった」というクレームを減らせると考えています。

開発側ではどのような苦労がありましたか?

Y.YY.Y

今回のプロジェクトの大きな特徴は、モノづくりのやり方そのものにもありました。従来のように時間をかけて要件を固めてから工場に依頼をするのではなく、お客様や関係者の声を聞きながら継続的にサービスや製品を改善していく方法を採用し、スピード感を持って開発を行いました。私自身、今までのやり方との違いに最初は戸惑いもありましたが、お客様と直接対話し、その声をすぐに開発に活かせるのは本当に面白いと感じています。また、こうした新しい挑戦を後押ししてくれるDAIKENの裁量の大きさも感じました。

「音」から始まる、
「ずっとここちいいね」の未来へ

プロジェクトの現在地と、今後の展望を教えてください。

S.OS.O

音環境ソリューションについて、ゴールまでの道のりを10段階で言えばまだ2か3です。今後はシミュレーションにとどまらず、そこから先の建材提案や工事までを一貫して提供できる体制を構築していきます。まだまだやるべきことはたくさんあります。

A.NA.N

その通りです。プロジェクトのゴールは、皆さまに快適な音環境を提供することですが、DAIKENは次期長期ビジョン「TryAngle 2035」で音・光・温度・湿度・においなど、「五感に訴える価値で生活を支えていく」ことを方針の一つとしています。音環境の快適性を追求しつつ、 空間全体の快適さも追求していきます。その第一歩として「音マップPro」を開発できたのは大きな成果だと感じています。最近では他社と共同でソリューション提案を行うなど「共創」の輪も広がっています。

Y.YY.Y

音に関するトピックとしては、「音環境ラボラトリー(音ラボ)」という音響技術の研究施設も発足し、お客様や共創企業、そして社内の各部署が集い、一体となって新しい価値を創造できる環境も生まれました。これからが正念場ですが、楽しみながら進んでいけると思います。