生徒の集中力を高める方法! まずは教室の音環境の見直しを

生徒の集中力を高める方法!

学校の教室で生徒に集中して授業を受けてもらうためには何が必要でしょうか。もちろん、先生の指導力や学習に対する生徒たち自身の意識は大切ですが、それらがあったとしても教室内には集中を妨げる要因が潜んでいたりします。 今回は、生徒たちの集中力を高める教室環境について考えていきます。

勉強に集中しやすい教室環境はどうすれば作れる?

勉強に集中しやすい教室環境

勉強に集中しやすい環境というのは、「先生と生徒の間に集中力を乱すものがない状態」といえます。それでは集中力を乱すきっかけとはどのようなものなのでしょうか。

まず、ありがちな要因として挙げられるのが黒板周りの物の配置です。黒板横の掲示板には、時間割や様々な掲示物が貼られていると思いますが、授業の時にそれらが見えると生徒たちの気がそれる原因となります。黒板周りにはできるだけ掲示物を貼らず、他の場所に移すか授業中は見えないようにパーティションやカーテンで隠すなど、黒板以外の情報ができるだけ生徒たちの視界に入らなくする配慮が必要です。

また、生徒同士の机が近すぎると互いの動きが気になり、ちょっかいの出し合いになる可能性があります。各生徒の机をある程度離すことも教室環境の改善につながります。

生徒の集中力を乱すものとして、教室内の騒音があげられます。

先生が考える、良好な教室環境とは?

良好な教室環境とは

教師側では、教室環境に対してどのように感じているのでしょうか。

平成20年2月に国立教育政策研究所文教施設研究センターが教師等に対し行った調査では、「良質な教室環境を作るために、最も重要と思っていること」という設問に対し、一番回答が多かったのが「騒音のないこと」でした。

●良好な教室環境を作るために、もっとも重要と思っていること

環境に配慮した学校施設

出典:国立教育政策研究所 文教施設研究センター「学校施設の環境配慮方策等に関する調査研究」研究会 『環境に配慮した学校施設の整備推進のために- 学校施設の環境配慮方策等に関する調査研究報告書 -(平成20年2月)』P23を基に作成

騒音の多い教室では、先生が声を張り上げなければ全生徒とコミュニケーションが取れません。しかし、このような状況は先生にとっても生徒にとっても大きなストレスになります。また、大声を出さないと生徒が話を聞いてくれなくなってしまう懸念も指摘されています。

教室の騒音を授業の妨げと考えているのは、現場の先生だけではありません。文部科学省が発表した報告書「これからの小・中学校施設の在り方について~児童・生徒の成長を支える場にふさわしい環境づくりを目指して~(平成31年3月)」では、事件・事故・災害に対する安全性だけではなく、音環境や室温・湿度などの空間の快適性についても言及されています。

〇吸音性や調湿性に優れ、温かみや味わいのある木材を内外装や建具、家具に積極的に取り入れることが望ましい。

引用:文部科学省「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」報告書『これからの小・中学校施設の在り方について~児童・生徒の成長を支える場にふさわしい環境づくりを目指して~(平成31年3月)』本文 6.学校施設の機能向上(1)建築物としての性能向上 より

教育の面からも、子どもたちの生活の場としても、学校・文教施設の音環境については充分に考えておく必要があります。

教室の音環境を天井材が解決?!

現場の教師、そして文部科学省共に、学校設計では音に対する配慮を重視していることが分かりました。

音声をハッキリ伝えるためには、騒音の遮断と同時に残響(音の響き)の制御が欠かせません。その理由は、残響音が多いと音声伝達の明瞭度を低下させるだけでなく、室内における喧騒感が高まってしまうからです。 日本建築学会では、普通教室の残響時間※推奨値(200m³程度)を0.6秒と設定しています。更には音楽練習室や視聴覚室など、教室の用途ごとで残響時間を適切に制御することを推奨しています。

※残響時間… 室内や劇場などで音源が振動をやめたあと、残響音の強さが60dB(デシベル)減衰するまでの時間。

学校施設の音環境保全規準・設計指針

※残響時間および平均旧音律は500Hz、1000Hzの平均値を示しています。 出典:日本建築学会「学校施設の音環境保全規準・設計指針」を基に作成

生徒が集中しやすく、教師が教えやすい学校施設の音環境には、内外からの騒音の遮断に加え、反響音を吸音するといった音響面の配慮が求められます。しかし、学校の教室は反響しやすい設計が多く、竣工後使ってみて問題にとなる場合もあります。そのような問題を防ぐためには、設計段階で吸音性能のある天井材を使用することが重要です。

教室の音環境を改善することは、生徒と先生の両方にメリットをもたらします。生徒は先生の声を聞きやすくなりますし、先生は大声を出すのにエネルギーを使う必要がなくなります。快適で集中できる教室環境の整備に、天井材を今一度見直してみてはいかがでしょうか。

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