“日本の木”が十分に使われていません。

今は、国産材が約30%しか
使われていない理由は。

日本の森林は、昭和20年代、戦後の復興に必要な木材を確保するため、政府による「拡大造林政策」によって人工林が増えました。

当時、木材は生活に欠かせない家庭燃料(木炭や薪)でした。その後、石油やガスのエネルギーに切替わったため、雑木林は経済価値の高いスギ、ヒノキ等の人工林に置き替わりました。この頃の木材自給率は9割以上でした。

しかし、木材輸入の自由化により、価格の低い外材の需要が高まり、国産材の使用は急速に下がりました。

こうして、膨大な人工林が残り、森林は手入れがされなくなり、森の健全性が失われていったのです。

一方で、外国の森は乱伐で砂漠化するなど問題視され、伐採が規制されるようになりました。

現在、国産材は31.2%、外材は68.8%の割合で利用されています。新たな木の苗は、使う見込みがないため植えられません。また植えられてそだった木々も、そのまま放置しているケースがあり、葉で光が遮られ、若い木々が育たなくなってしまっています。また、過剰に外材に頼っている現状では、外国の森が砂漠化する問題への対応として、森林保全のための伐採規制などが設けられるケースもあります。そのため、外材だけに頼るわけにはいかなくなっています。日本や世界の森が荒れていくのを防ぐためには、適切かつ計画的に、収穫・利用・植樹・栽培といったサイクルを続けていき、国産材利用率を向上する必要があります。

※ 木材チップを含みます。

政府は2025年
国産材利用50%にする
目標を掲げています。

豊富な森林資源を活用することは、森の手入れにもつながり、洪水や土砂災害の防止、さらに二酸化炭素を吸収するなど、地球環境も守ります。また、林業・林産業の再生や木材の安定供給にもつながります。

こうした事態を踏まえて、農林水産省は「森林・林業再生プラン」を平成21年に策定し、「10年後の木材自給率50%以上」を目標に掲げました。

その後、2016年2月、林野庁は2020年には木材自給率50%の目標に届かない見通しであることを発表し、自給率の目標達成時期も5年先送りしました。

国内で木材が収穫され利用されれば、あらたに苗が植樹されます。植えられた木々は、森が適切に管理されているため成長・世代交代が促進されます。育った樹木は収穫・利用され、新たに植樹されていく。また、外材の利用率が下がるため、海外の森の砂漠化を食い止めることができます。国内材利用率が向上することは、日本の森、世界の森を守ることに繋がるのです。