DAIKEN Architect News vol.8 | 開発者が語る 【新製品】健やかおもて穂波(ほなみ)

開発者が語る 【新製品】健やかおもて穂波(ほなみ)

大建工業株式会社 エコ事業部FB開発課角石 真弥 氏

お話を聞いた方 大建工業株式会社
エコ事業部FB開発課
角石 真弥 氏
色差を美しく表現するために
3色織に挑戦

色差を美しく表現するために3色織に挑戦

当社初の3色織による和紙畳おもて「穂波」。開発のきっかけは、宿泊施設のインバウンド需要の取り込みに向けて「海外のお客様にも記憶に残る、和を感じさせる特徴的な意匠の畳が欲しい」というご要望が寄せられていたからです。
これまでにない新柄の畳を一から作り上げるため、さまざまな柄を織ることができるジャガード織機※2を使用しました。
意匠と配色パターンの試作を重ね、製品化までに1年半ほどかかりました。
最初から3色織で考えていたわけではなく、当初は2色織で、伝統的な和の文様を検討していました。しかし、どうしても柄がはっきりしすぎて、奇抜な印象を与えてしまうことが課題でした。
輪郭がかすれたように見える伝統的な絣模様をモチーフにした優しい織り柄に変更したのですが、まだ派手だと感じていました。そこで、色差による違和感を抑えるため、3色織に挑戦したのです。
すると、色の移り変わりが緩やかになり、程よいコントラストで深みのある表情が生まれたのです。
※1DAIKENの和紙畳は、機械すき和紙を使用しています。
コウゾ、ミツマタ等を使用した手すき和紙ではありません。

ジャガード織機:複数の色をプログラム通りに織れる織機 イメージ画像01
※2ジャガード織機:複数の色をプログラム通りに織れる織機。

ジャガード織機:複数の色をプログラム通りに織れる織機 イメージ画像02

社内評価の高かった
6色を製品化

3色織にすると色の組み合わせが広がるため、柄が決まったあとは20パターン以上の組み合わせを試して、サンプルを作りました。それらを東京・大阪約150名の社員に評価してもらい、評価が高かったものを製品化しました。
製品名は、既存の「小波(さざなみ)」「綾波(あやなみ)」と同種のジャガード織機で生産するので「波」の文字を入れ、「穂波(ほなみ)」と名付けました。3色の緯糸(よこいと)が織りなす表情を、稲穂が揺れるさまに見立てています。

空間に多彩な表情を
もたらすバリエーション

カラーバリエーション
〈01 新銀白色×銀白色×若草色〉、〈02 白茶色×黄金色×乳白色〉、〈03 灰桜色×乳白色×銀鼠色〉、〈04 墨染色×銀鼠色×栗色〉、〈05 銀鼠色×墨染色×灰桜色〉、〈06 藍色×墨染色×銀鼠色〉

和紙の色は従来の「健やかおもて」と同じですが、色の組み合わせによってさまざまな表情が生まれます。
〈01〉のグリーン系や〈02〉のイエロー系は、色差を抑えて優しい表情にしています。従来の畳のイメージにも近く、伝統的な和室からモダンな和室まで幅広くおすすめします。
ベースが濃い色には淡い色を入れて、コントラストをつけています。〈04〉や〈06〉のダーク系は、禅モダンのようなシックな空間に、また〈03〉と〈05〉のグレー系はトレンド色で、カジュアルな空間や、ビンテージな雰囲気の空間におすすめです。

3色織は単色織に比べ、キズや汚れがより目立ちにくいため、宿泊施設など不特定多数の方がご利用になる場で、より長く美しさを保っていただけると思います。(図1参照)
「健やかおもて」は元より、顔料で染めているので色落ちに強く、樹脂コーティングによってダニ・カビも発生しにくい、高耐久な素材です。さらに、サラッとした手触りの良さは和紙素材ならではの、他にはない特長だと思います。

(図1)耐摩耗試験 #180研磨紙、250g×2荷重で100回転後
(図1)耐摩耗試験 #180研磨紙、250g×2荷重で100回転後
「健やかおもて」はイ草おもてに比べ、約3倍の耐久性を持ちます。
3色織はキズがより目立ちにくくなります。
畳の新たな可能性を
切り拓く製品に

「穂波」は和洋どちらの空間にもよく合います。
畳というより「畳風織物」と言ったほうが近いかもしれません。スタイリッシュでラグのような〝洋〞の雰囲気を持ちながら、畳ならではの〝和〞のやすらぎや心地よさもご提供できます。
良い意味で畳らしさがなくなったので、これまでの常識にとらわれない、畳の新たな可能性を広げてくれる製品だと思います。
モダンな柄で、壁面のアクセントクロスなど、将来的には床以外への用途も考えられそうです。さまざまな空間で使われる存在になってほしいですね。
「健やかおもて」は品質や質感に自信を持っています。これからも住宅や施設まで、さまざまなシーンで「畳」文化を伝え、若い方や外国の方などの新しいお客様にも魅力を感じてもらえるように、多様な製品・デザイン・機能・用途を開発していきたいですね。

詳しい製品情報は「健やかくん」カタログをご覧ください。