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DAIKEN Architect News vol.8 | 採用事例インタビュー

日本初のキュレーションホテルで伝統意匠や現代アートとも調和する「畳」の魅力

2018年11月、築80年超えの元旅館を改修して作られ、世界的デザイン賞での入賞も果たした「熱海桃乃八庵(あたみとうのやあん)」。単なる宿泊施設ではなく、デザイナーの澤山乃莉子氏自身が建材から調度品など、隅々までプロデュースした、日本初の「キュレーションホテル」です。
今回、床や階段に「ダイケン健やかおもて」をご採用。澤山氏がどのようなこだわりで畳を選ばれたか、お話を伺いました。
【採用製品】ダイケン健やかおもて

一般社団法人 英国インテリアデザインビジネス協会BABID 代表理事、インテリアデザインプロデューサー 一般社団法人 キュレーションホテル協会代表理事 澤山 乃莉子 氏

お話を聞いた方 一般社団法人 英国インテリアデザインビジネス協会
BABID 代表理事、インテリアデザインプロデューサー
一般社団法人 キュレーションホテル協会代表理事
澤山 乃莉子 氏

2000年にロンドンで起業以来、日英で住宅、商業施設、家具デザインなどを手掛け、「BIID MeritAward 2016」等、受賞や雑誌掲載も多数。
2017年東京でBABIDを設立し、インテリアデザインのプロデュースとともに、ホテルの新分野「キュレーションホテル」の普及にも努める。
http://www.babid.org/
伝統や技術の新たな発信拠点
「キュレーションホテル」を日本へ

伝統や技術の新たな発信拠点「キュレーションホテル」を日本へ

キュレーションホテルとは、キュレーター、つまり「目利き」が見立てた空間を楽しめるホテル、という意味です。
地域に根差した工芸品やアート作品などを、見て、触れて、広く知ってもらう、新しい形の宿泊施設です。ホテル市場が成熟しているイギリスでは、キュレーションホテルのような「テーマ性」のあるホテルがいくつも作られ、世界からも注目を集め始めています。
日本は、各地域が険しい山や川で分断されて気候も異なるため、同じ国の中に多種多様な文化が存在しています。
これは、世界的にも非常に珍しいこと。
そんな豊かな文化を持つ日本に、キュレーションホテルという考え方があれば、より各地で表情の異なるおもしろいホテルができると思います。
キュレーションホテルに宿泊することで、工芸品やアート作品を体感してもらい、自分の暮らしに取り入れる・SNSで拡散してもらうといったきっかけにして欲しいですね。そうして人と文化の新たな接点ができれば、日本の伝統工芸やアートの需要も拡大し、地方も盛り上がっていくでしょう。そんな拠点を創造するために、まずはこの熱海に「熱海桃乃八庵」を作りました。

。一つひとつ選び抜かれた品が、お互いを引き立て合い共鳴している空間。
アート作品と伝統工芸品、澤山氏自身がデザインした家具などが共存するリビング・ダイニング。一つひとつ選び抜かれた品が、お互いを引き立て合い共鳴している空間。

建築当時の意匠とこだわりの素材
伝統と革新が共演する空間に

建築当時の意匠とこだわりの素材伝統と革新が共演する空間に

築80年を超える「熱海桃乃八庵」では、左官壁や組木細工、巾木などできるだけ建築当時の意匠を残しています。というのも、このホテルは古民家再生のプロジェクトでもあったので、どれだ けオリジナルの意匠を残して活かせるか、というのも命題でした。今では再現不可能な匠の技が使われている部分 も多くあったので、熟練の大工と共に、慎重に改修工事を進めました。
そんな貴重な空間なので、新たに採り入れる素材にもこだわりました。自然素材を基本とし、なるべく手仕事の 温もりが感じられるものを選んでいます。棚や洗面カウンターの木材は、熱海の山の環境を守るために間伐材を 採用。壁もビニールクロスなどは使わず、塗り壁や漆と雲母を塗った和紙を貼るなど、一つひとつストーリーを語 れるくらいこだわりをもった素材を選びました。
貴重な建築意匠とこだわりの素材を散りばめた室内に、私自身が選び抜いた伝統工芸品や現代アートを飾ることで、伝統と革新が共演するこれまでにない空間ができ上がりました。

和紙畳採用の決め手は
使用環境に左右されない強さ

建築当時の意匠とこだわりの素材伝統と革新が共演する空間に
開業して1年が経つが、ソファの足元にはキズや凹みは目立たない。

館内の床は、水回り以外すべて畳敷きです。伝統的な和のしつらえとも似合いますし、スリッパを使わず素足で歩けるのでくつろぎやすい。以前熱海で住んでいた部屋でも、玄関から居室まですべて畳を使っていたので、畳空間にはこだわりがありました。
今回選んだDAIKENの畳は、ロンドンにいた時から使っていたのですが、和紙製で手触りが良いのに加え、とにかく耐久性が高く、キズや汚れに強い点が魅力です。温度や湿度、住居環境の違うロンドンでもまったく品質が変わらず、数年後に訪れても施工当初と同じように心地良いというのは、どこで使うにも安心です。この「熱海桃乃八庵」も開業から約1年経ち、サロンや見学会もあったのでお客様がたくさん来られているのですが、目立ったキズがほとんどないのが強さの証拠です。
※機械すき和紙:コウゾ、ミツマタを使用した手すき和紙ではございません。

場所やインテリアを選ばず使える
豊かな色彩と織り目

今回、階段にも畳表をランナー(敷物)として敷きこんだのですが、素足でも踏みしめやすく歩行感もいいので大成功でした。階段が曲がっている部分は施工が特に難しく、畳屋さんに何度も試行錯誤して仕上げてもらいました。その分、訪れたお客様からは毎回感嘆の声が上がるポイントになっています。
この「熱海桃乃八庵」では、部屋のイメージごとに畳の色や柄を使い分けています。リビング・ダイニングは、シックで落ち着いた「清流」の栗色のヘリなし畳でモダンな雰囲気を作り、鮮やかなアート作品とも調和しています。
逆に、一階の寝室は純和風なインテリアを演出するために、ヘリのある黄金色の畳にしました。また、外国の方のために洋室もあるのですが、そこには「小波(さざなみ)」というラグのような風合いの織り目をもつ畳おもてを選びました。
一見畳には見えないくらい、洋室によく馴染んでいると思います。イ草畳には表現できない色や意匠が楽しめるのも、DAIKENの畳ならではですね。

今後のプロジェクトにも
DAIKENの畳を採用予定

「熱海桃乃八庵」をオープンしてから約1年、全国から様々なデザイナーさんや建築家の方が来て、「キュレーションホテルをやりたい」とおっしゃってくださいました。この考え方が、これから日本全国に広がっていくと嬉しいなと思っています。私自身が手掛ける第2、第3弾のキュレーションホテルプロジェクトも、ここ熱海で進行していて、そこでもDAIKENの畳を引き続き使用する予定です。
日本の伝統的な家屋や様式とも馴染みながら、洋風インテリアにも似合うDAIKENの畳は、今後も様々なところで活用できると感じています。

畳敷きの階段は、澤山氏の愛犬の足腰にも優しく安全とのこと。
畳敷きの階段は、澤山氏の愛犬の足腰にも優しく安全とのこと。

1階の寝室は、純和風な室内を演出するために、黄金色でヘリのある畳を採用。
1階の寝室は、純和風な室内を演出するために、黄金色でヘリのある畳を採用。

外国人の滞在に備え、完全な洋室も完備。ラグのようにも見える、個性的な織り目の「小波(さざなみ)」を採用。
外国人の滞在に備え、完全な洋室も完備。ラグのようにも見える、個性的な織り目の「小波(さざなみ)」を採用。

1階の和室は既存の造作を活かしたインテリア。若草色の畳を採用。
1階の和室は既存の造作を活かしたインテリア。若草色の畳を採用。

コウモリと月をモチーフとした、当時の貴重な左官壁を残している。
コウモリと月をモチーフとした、当時の貴重な左官壁を残している。

細かな造作なども可能な限り残して改修を行った。
細かな造作なども可能な限り残して改修を行った。

*「健やかおもて」のご購入については、お近くの畳店様へお問い合わせ願います。詳しくはこちら

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