ホーム > 公共・商業施設 > DAIKEN Architect News > DAIKEN Architect News vol.4 | 特別インタビュー2

DAIKEN Architect News vol.4 | 特別インタビュー2

畳で作り出す 極上のおもてなし

2020年のオリンピック・パラリンピックの開催地となる東京都。訪日外国人旅行者数のさらなる増加が見込まれる中、日本の畳文化を世界に発信しようと立ち上げられたのが、国内の畳に関わる企業が加盟する「畳でおもてなしプロジェクト実行委員会」です。今回は、実行委員長の沼田勝氏、実行委員の佐々木正悦氏のお二人にお話を伺いました。

畳でおもてなしプロジェクト 実行委員長 有限会社 沼田タタミ工業 代表取締役 会長 沼田 勝 氏 宮城県畳床工業組合 理事長 佐々木 正悦 氏

お話を聞いた人
畳でおもてなしプロジェクト
実行委員長
有限会社 沼田タタミ工業
代表取締役 会長
沼田 勝 氏(左)
実行委員
宮城県畳床工業組合
理事長 
佐々木 正悦 氏(右)
プロジェクト立ち上げメンバーのお二人。
もともとは宮城県の「畳床工業組合」メンバーであり、自らも畳・畳床の製造に携わる。
需要が落ち込む畳を守る
日本文化の発信がカギに

需要が落ち込む畳を守る本文化の発信がカギに

「畳は、日本に古来から伝わる文化の象徴です。しかし年々畳の需要は落ち込み、出荷量も過去30年間で3分の1以下に。このままでは畳を作る技術や材料も無くなり、大切な文化が失われてしまう。そこで、東京オリンピックを機会に畳を盛り上げるこのプロジェクトが発足したんです」(沼田氏)
国は、2年後の東京オリンピックに向けて民間企業や組合などと手を取り、日本文化を世界に発信するための活動を推進しています。畳でおもてなしプロジェクトも、畳の材料や製造・施工を行う企業が集まって出来た民間団体の一つです。
「畳そのものの性能だけを訴求しても、なかなか皆様に見ていただけません。そこで、お茶やお花、着物など畳と関係の深い日本文化とのコラボ企画を考えました。2017年10月には着物のファッションショー〝きものサローネ〟で畳のランウェイを制作し、国内外の方の注目を集めました。実際にかなりのお客様が集まりましたし、多様な業界からお声がけいただくようになったので、日本文化全体で協力していくことは非常に有益だと感じています。今後も生け花やお茶などとコラボしたイベントを、年内に計画しています」(沼田氏)

着物のファッションショーで、畳のランウェイ。国内外で注目を集めた。
着物のファッションショーで、畳のランウェイ。国内外で注目を集めた。

畳の魅力は「足さわり」
お客様を足元からおもてなし

イベントで畳の露出を高めると同時に、需要を創出していくことも重要。住宅で和室が減っている現状から、公共空間での畳活用に注目しているといいます。
「例えば、宿泊施設に使えば収容人数を増やすことができます。同じ広さの部屋でも洋室にベッドを置くより、畳に布団を敷く方が多人数でくつろげますよね。外国人観光客の増加に伴い宿泊施設不足が課題になる中、畳が一つのソリューションになります。また飲食店などでは、畳敷きの空間にテーブルと椅子を置くスタイルも広がりつつあります。正座をしなくても良いので座りやすく、お年寄りにも喜ばれています」(沼田氏)
「畳の魅力は『固すぎず、柔らかすぎず』という独特の感覚。これは靴ではなく素足に近い状態で触れるからこそわかる繊細な質感です。私たちは「足さわり」と呼んでいますね。冬場でもひんやりせず、夏場もべたべたしない。もし畳の上で転んでも、ソフトに受け止めるクッション性があるので、子どもやお年寄りのいる施設でも安心して使えます。そこにいる人々の足元をやさしく支え、もてなすのが畳の持つ力。最近は汚れや傷みに強い新素材の畳も充実しており、お手入れも楽です。新素材の畳はカラーも豊富で意匠性も高いですし、お客様への素敵なおもてなしになるのではないでしょうか」(佐々木氏)

クッション性の高い畳は、子どもたちの遊び場としても最適。転んでも優しく受け止めてくれるので安心。
クッション性の高い畳は、子どもたちの遊び場としても最適。転んでも優しく受け止めてくれるので安心。

国内外の人々に畳をPR
休憩場所や表彰台に

東京オリンピックは、世界へ畳をPRするもっとも良い機会。実行委員会でも様々な取り組みをしています。「例えば外国の方がごろりと横になって体を休められる畳敷きの大広間、通路などちょっとした場所で一息つける畳ベンチなどを企画しています。また、これはまだ構想ですが、柔道競技の表彰台を畳敷きで製作したいという夢も持っています。国産の上質の藁を使い、畳縁の色やデザインで金銀銅を表現するなど、試行錯誤中です。実現へのハードルは非常に高いですが、国内外のたくさんの人々の目と肌に触れるシーンに畳を活用することで、海外でのニーズを生み、畳業界を元気づけるきっかけになればいいですね」(佐々木氏)

日本で畳を肌で感じてもらい
海外にも「TATAMI」文化を

「日本らしさ」の象徴的存在である、外国人からも人気の畳。日本に来て実際に肌で感じてもらい、魅力を伝える。
「日本らしさ」の象徴的存在である、外国人からも人気の畳。日本に来て実際に肌で感じてもらい、魅力を伝える。

実際、日本で畳に触れた外国の方からのオーダーで自宅用・店舗用に畳を輸出するケースも増えている。従来の畳は専門業者による施工が必要ですが、最近増えている置き敷きタイプなどの簡易施工できる畳だと、現地でも使いやすい。そういった意味では、海外展開には置き敷き畳がニーズにマッチしているといいます。
「日本独自の『TATAMI』文化に触れて興味を持ってもらいたい。そのために『畳でおもてなしプロジェクト実行委員会』ではさらに畳の魅力を体感してもらえる機会創出に取り組んでいきます」(沼田氏)

PAGE TOP