床暖房とラグやカーペットの
組み合わせはNGって、ホント?

近年、新築やリフォームの際に床暖房を取り入れるケースが増えています。高齢者や小さなお子様のいらっしゃるご家庭でも安心して使えること、燃焼がないため、空気を汚さないクリーンな暖房器具であることが普及の大きな要因となっています。床自体が暖かいので直接座ったり、そのまま寝そべったり、素足で歩いても寒い冬にヒンヤリとしない快適さも魅力です。

その床暖房がある部屋に、ラグやカーペットを敷きたいと考える方も多いでしょう。ただ、熱で生地が傷まないか、暖房の効率が悪くならないかなど、心配ですよね。
そこで本記事では、それらの疑問にお答えしていきます。

床暖房の上にカーペットやラグを敷いても大丈夫?

床暖房の上にカーペットやラグを敷いても大丈夫?

まず結論から説明しますと、床暖房を使用する際には、何も敷かないことが望ましいとされています。
その理由としては、次のようなことが挙げられます。

・床暖房の熱が敷物との間にこもってしまい、暖かさが伝わらない
・こもり熱によってカーペットやラグ、床材が変形、変色する恐れがある
・電気式床暖房の場合、水分をこぼしたときに、水分が残ると漏電や感電、火災が発生する恐れがある

さらには、座布団や布団を長時間使用することも推奨されていません。脚のないソファや下面が平らな家具も熱がこもる恐れがあります。床暖房のシステムには、「電気式タイプ」と「温水式タイプ」の2種類がありますが、いずれも同じように注意が必要です。

床暖房のうえで長時間過ごしていると低温やけどのリスクがありますし、硬いフローリングに座り続けて体が痛くなってしまうことも、決して快適とはいえません。衝撃を吸収するためやホコリの舞い上がりを防止したいなど、どうしてもラグを敷きたい場合もあるでしょう。そういった場合には、床暖房システムの取扱説明書やメーカーホームページで注意事項がないか確認してみましょう。DAIKEN製の床暖房の例では、ホームページに掲載されている「床暖房:よくある質問と回答」のページに、ラグやカーペットを置くことはおすすめできないとしながらも、どうしても敷きたい場合は毛足の長さが8mm未満の「床暖房対応」のものにするよう明記しています。

こうした使用条件をクリアしたカーペットやラグもあり、内装資材専門店やホームセンターなどでは「床暖房対応」と記載のある商品が取り揃えられています。

「床暖房対応」は「非対応」と何が違うのか?

「床暖房対応」は「非対応」と何が違うのか?

「床暖房対応」のラグやカーペットは、一般的な非対応の製品と比べて熱が伝わりやすい素材でつくられているため放熱性があり、通気性にも優れているため、熱に長時間さらされても傷みにくく、反り返りの心配も少ないのが特長です。

近年では、このような「床暖房対応」の製品ラインアップは増えており、豊富な種類の中からきっと、お好みの色やサイズを見つけることができるでしょう。ハサミでカットしオリジナルのサイズにできるもの、スウェット素材のもの、ジョイント式タイルカーペット、防音・防カビ・防ダニなど機能性に優れたものもあります。

とはいえ、床暖房メーカーの立場としては「床暖房対応」のラグやカーペットであっても基本的には使用をおすすめしていないのが大半なので、使用する際には必ず床暖房システム取扱説明書の注意事項をすべて確認した上で、自己責任で利用するようにしましょう。

部屋の一部分を床暖房にすることは可能?

部屋の一部分を床暖房にすることは可能?

床暖房対応の敷物を選ぶという方法のほかに、カーペットやラグを敷きたいときには「部屋の一部分を床暖房にする」というアイデアも思い浮かぶところでしょうか。その場合は、部分暖房の切り替えが可能な電気式の床暖房を選択するとよいかもしれません。電気式の場合は、キッチンの足元だけを暖めるような部分暖房や、暖める場所を切り替える設定ができるシステムもあります。床暖房を設置する場所、ラグやカーペットを置く場所などの割りつけを導入前によく検討して、日常生活で不便なく利用できるようにしたいところです。

床暖房は空気を乾燥させることなく足元から効率的に部屋を暖めてくれる快適な暖房ですが、気持ちよく使用するためにはメーカーが提供している注意事項を守ることが大切です。
ラグやカーペットを使用したい場合も、事前に注意事項をよく確認した上で利用するかどうかを判断しましょう。

※ここに掲載されている情報は2023年10月31日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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