ESG経営の実践

E:CO2 排出削減に向けた取り組み

世界的な気候変動リスクへの対応として、日本政府はパリ協定に基づき「2030年度までに温室効果ガスの排出量を26%削減(2013 年度比)する」という目標を掲げています。この目標に積極的に貢献していくため、当社では、事業活動におけるCO2の排出削減を最重要課題として位置付け、当初、長期ビジョン「GP25」の最終年度(2025年度)に達成を目指していた目標を前倒しし、中期経営計画「GP25 2nd Stage」の最終年度の2021年度で達成するという目標を設定しています。

事業活動と連動した再生可能エネルギー活用

素材事業の主力製品であるMDFやインシュレーションボードは、木材を可能な限りマテリアルとして活用していくことを追求する考えから、製材端材や建築廃材由来の木材チップを主原材料として使用しています。さらに製品の原材料として使用できない木材チップは、 製造工程の熱源として必要な木質バイオマスボイラーの燃料として活用しています。また、木質材料を加工してドアや床材などを製造する建材事業でも同様に、製造工程で発生する端材や木粉を燃料として活用しています。当社グループでは、これら事業活動と連動させた再生可能エネルギーの活用により、CO2の排出削減に取り組んでいます。素材事業の 主力工場である岡山工場、高萩工場をはじめとする国内生産拠点12拠点のうち9拠点(13基)で木質バイオマスボイラーを導入。安定 稼働に努めることにより、再生可能エネルギー比率を50%に高め、CO2排出量の削減につなげています。

CO<sub>2</sub>国内総排出量
木質バイオマスボイラーを設置している国内生産拠点

S:人財価値の最大化

中期経営計画「GP25 2nd Stage」で掲げる成長戦略を実現するためには、多様な人財が持つスキルやアイデア、価値観を融合させるダイバーシティの推進が不可欠です。このような観点から、女性管理職比率や男性育児休業取得率など8つの要素を織り込んだ「ダイバーシティ総合指数」を非財務の経営目標としています。また、ダイバーシティ推進を着実に進め、人財価値を高めるためには、生産性の高い職場環境づくりである「働き方改革」、従業員一人ひとりが継続的にレベルアップする「人財育成」を連動させる必要があります。こうした考え方から、当社グループでは、「ダイバーシティ推進」「働き方改革」「人財育成」の3つの要素を一体で推進することにより、好循環を生み出し、個人のパフォーマンスの向上による人財価値の最大化、さらには企業価値の向上につなげる取り組みを進めています。

基本的な考え方

次世代営業提言プロジェクトを起点に、
誰もが活躍できる職場環境づくりを推進

代表取締役 専務執行役員 播磨 哲男

1 次世代営業提言プロジェクト立ち上げの狙い

中期経営計画「GP25 2nd Stage」の基本方針の柱の一つとして、「ESG経営の実践」を据えています。企業は人で成り立っており、成長戦略の実現や目標達成には、グループ全従業員の活躍や挑戦が不可欠で、人財なくしては語ることはできません。そういう意味でも、ESGのSの中において人財は中核的な存在であり、中期経営計画と連動した中期ESG計画の中でも、「ダイバーシティ推進」「働き方改革」「人財育成」の3つの要素にそれぞれ達成度を測るKPIを設定し、目標達成に向けた取り組みを進めています。中期経営計画の初年度にあたり、この人財価値を最大化するための新たな取り組みとして「次世代営業提言プロジェクト」を立ち上げました。
本プロジェクトの特長は、役員や部門長クラスがメンバーの従来型のプロジェクトと一線を画し、女性営業社員によるボトムアップのかたちをとっていることです。これまで意見交換や悩みの共有にとどまっていた女性交流会を発展させ、自らの職場での業務を振り返りながら、あるべき姿の実現に向けて取り組むべき課題を明らかにし、解決に向けた経営者への提言にまでつなげてもらおうというものです。したがって、このプロジェクトのプロセスは、「ダイバーシティ推進」、「働き方改革」、「人財育成」の3要素を連動させながらレベルアップを図る、人財価値最大化に向けた取り組みの縮図であるともいえます。

2 プロジェクトにおける取り組み

2019年度には、本プロジェクトを立ち上げた後、女性営業社員で3つのチームを編成し、6カ月間、全5回のグループワーク、ディスカッションなどを経て、トライアルの実施までを行いました。ステップとして、まず自分たちが目指すありたい姿「次世代営業スタイル」を描くことからスタートしました。その後、1現状とのギャップの認識と課題抽出、2テーマアップ・原因分析、3解決策の検討、4優先順位付け・ブラッシュアップを経て、5トライアル実施に向けたプレゼンテーションを行い、承認後、実際の職場に持ち帰り、トライアルを始めています。特に課題の抽出にあたっては、着眼点が偏らないよう、上司ヒアリングや職場アンケートを実施しました。
解決策の検討プロセスでは、効果的な施策が立案できるよう外部講習で学んだ課題解決モデルを用いるなど、より実効性の高い提言につなげるためのアイデアや手法を取り入れました。プロジェクトに参加したメンバーは、自身の担当業務をこなしながらの参画となりましたが、「自分たちが会社を変革する」という強い意志と主体性を持った取り組み姿勢が醸成され、またディスカッションやグループワークを通じてメンバー間の連携や信頼関係が生まれるなど、本プロジェクトの成果物である提言とは別のレベルでも大きな効果が得られた取り組みといえます。

次世代営業提言プロジェクトの取り組みステップ

3 今後の展開について

現状は営業部門の職場レベルの取り組みですが、本プロジェクトをきっかけにスタートした変化が、各職場の責任者を動かし、職場のメンバーの共感を得、また、変化を実感した職場内の他のメンバーが、さらに次の一手を自発的に提案し、身近なところから行動に移す流れができていくことを期待しています。
これまで課題として認識していながら、取り組めていなかった課題にスポットライトをあて、具体的なアクションを起こすことが職場の変革につながります。今後はトライアル内容の検証や効果測定の結果を踏まえて最終の経営層への提言プレゼンテーションを行い、営業部門だけでなく、他の事業部門、スタッフ部門にも裾野を広げ、全社的な変革の起点にしていきたいと考えています。

プレゼンテーション

G:グループ企業理念浸透に向けた取り組み

グローバル化や人財の多様化が進む中、企業としてさらなる成長を実現するためには、「共通の使命」「目指すべき企業像」「大切にする 価値観」を全従業員で共有し、進むべき方向性を合わせることが重要になっています。そこで当社グループは、持続的な企業価値の向上と、理念に基づく経営強化を目指し、2017年4月にそれまでの「経営理念」を進化させ、グループ企業理念を制定しました。特に長期ビジョンや中期経営計画で描く成長戦略を実現するためには、「技術と発想と情熱」「新たな挑戦」「変化や機会を捉えた俊敏な行動」 といった、グループ企業理念に掲げた姿を、グループ全従業員が実践し、行動に移していくことが不可欠です。このような考えの下、 2019年度からスタートした中期経営計画「GP25 2nd Stage」では、非財務の経営目標として「グループ企業理念浸透度」を設定し、浸透・実践度を高めるための取り組みを進めています。

グループ企業理念浸透策の展開

グループ企業理念浸透策の展開

2019年度の取り組み

2019年度の取り組み