壁面収納をおしゃれにするポイントとは?
おすすめアイデアやDIYのコツも紹介

おしゃれで片付いたお部屋にするために、壁面収納を利用しようと考えている方も多いでしょう。例えば、映画やテレビCMなどに度々登場する、壁面いっぱいに蔵書や雑貨があふれた部屋の1カット。主人公の生き様を物語っていますし、あこがれる方も多いでしょう。 そのようなスタイリッシュでおしゃれなシーンを、あなたの部屋でも実現できるとしたらどうでしょうか。しかし実際に壁面収納を導入するとなると、壁面収納の家具の選び方やおしゃれにするポイントが気になります。

本記事では、壁面収納におすすめの家具の選び方やおしゃれに見せるポイントを解説していきます。壁面収納は、DIYをする際に取り掛かりやすく、リノベーションを検討する方も多いため、リノベーションや住宅の売買をする法人の方もしっかりと蓄えておきたい知識のひとつです。

今回は、あなたの暮らしを豊かに彩ることになるかもしれない、「壁面収納」の可能性をご紹介します。壁面収納をおしゃれにするポイントを抑えて、ものが散らかっていないおしゃれなお部屋を目指しましょう。

壁面収納の種類について

「壁面収納って何?」と思われる方もいるかもしれませんが、その名の通り、壁に棚を設置して利用する収納のことです。今まであまり活用する機会がなかった部屋の壁全体を使って、自分好みにレイアウトした収納棚を作ることができてしまうのです。壁面収納は主に「壁に穴を開けずに収納ができるタイプ」と「壁に穴を開けて収納をするタイプ」の2種類に分類できます。制約の多い賃貸住宅でも設置できる壁面収納もあるため、自身の状況によって使い分けましょう。

壁面収納の種類
扉・カウンター:トレンドウッド調 PP〈コットンベージュ〉
フレーム扉:〈ブラック/スモーク〉
ユニット・TVボード:〈ホワイト〉

壁に穴を開けずに収納する

壁に穴を開けずに収納するタイプは、賃貸住宅や壁に穴を開けたくない場合に有効なタイプです。代表的な方法は、壁や床に対して突っ張り棒を用いて家具を設置する方法です。しっかり支柱を支える天井と床があれば、場所を選ばずに設置できるため、手軽に設置できますが、地震時は危険が伴いますので、出来れば穴を開けるタイプをおすすめします。

壁に穴を開けて収納する

壁への加工が可能な場合は、壁に穴を開けて収納するタイプの壁面収納がおすすめです。壁にビスを打って家具を固定するため、突っ張り棒などの支柱が必要ありません。
床から浮いた位置にも家具を設置できるため、おしゃれで引き締まった印象を与えます。

壁面収納のメリット3つ

壁面収納のメリット3つ

収納スペースの確保ができる

壁面収納は、デッドスペースとなりやすい壁面のスペースに本棚や家具を設置して新たに収納スペースを作ります。大容量の収納スペースを壁面収納では確保できますが、収納し過ぎると散らかった印象になるため、収納したい物の数や大きさを考慮しあらかじめ収納物を決めておきましょう。

また、壁面収納による収納スペースのゆとりはお部屋に物が増えた場合でも、出しっぱなしを減少させお部屋の散らかりを予防できます。
たくさんの収納スペースを確保したい人は壁面収納がおすすめです。

収納をインテリアとして使える

壁面収納は、収納をインテリアとして使用できます。扉を付けず、お気に入りのモノを「見せる収納」によっておしゃれな空間にコーディネートできます。「見せる収納」はコツを掴めば誰でも簡単にできるため、手軽にお部屋のテイストに沿ったインテリアコーディネートが可能です。
また、大型の壁面収納はお部屋に統一感を与えやすいため、おしゃれなお部屋を演出しやすくなります。

耐震性が高い

壁面収納は壁にピッタリとくっつけて設置するため、壁にビスで固定するタイプのものは耐震性に優れています。もし、地震が起こった場合でも、壁面収納単独では揺れないため、タンスなどのように倒れてくる心配がありません。また、壁面収納は扉の設置と、耐震ロックを併用することで収納している物が飛び出して壊れたり、怪我をしたりするリスクを回避できます。
最近では、耐震性の観点から寝室にタンスではなく壁面収納を導入する方が増えています。

壁面収納のデメリット2つ

壁面収納のデメリット2つ

場所によっては動線の邪魔になる

たくさん収納できるからといって壁面収納を何も考えずに導入すると、クローゼットやデスクなどを使う際の生活動線の邪魔になってしまう場合があります。生活動線の圧迫は生活のしづらさを引き起こし、ストレスも溜まりやすいお部屋につながります。

また、壁面収納は大型の家具が多いため、収納する物や使い方を想定せずに設置してしまうと、お部屋に圧迫感を与えてしまいます。壁面収納を検討する際は、生活の仕方を見直し、壁面収納の役割や目的を明確化させて、使い勝手のいい壁面収納を目指しましょう。

一度設置すると動かしにくい

壁にピッタリと固定する形で設置する壁面収納は、一度設置すると簡単には動かせません。模様替えやリフォームの際には注意が必要です。テレビなどの大きな家電でも移動が可能ですが、壁面収納は基本的に移動できません。壁面収納を導入する際は、長期的な視野で設置場所を検討する必要があります。

また、壁面収納は色やデザインも簡単に変更できません。シンプルなデザインであれば、お気に入りのモノの色やデザインで全体のイメージを比較的簡単に変更できるため、壁面収納を導入する際にはできるだけシンプルなデザインをおすすめします。

壁面収納をおしゃれにするポイント3選

壁面収納をおしゃれにするポイントを3つ解説します。壁面収納は、考え無しに物を置いても、ただ片付いているだけでスッキリとまとまっている印象にはなりません。

以下の3つのポイントを抑え、お部屋をおしゃれにコーディネートしましょう。

  1. 圧迫感に注意
  2. 見せる収納を活用
  3. 生活動線の確保が必要
壁面収納をおしゃれにするポイント3選

1.圧迫感に注意

壁一面を活用したり、床から背の高い壁面収納を設置する場合、圧迫感が出やすいため、注意が必要です。圧迫感は、お部屋を狭く感じさせます。しかし、2つの工夫により圧迫感の軽減ができます。

1つ目は、お部屋の広さに合わせた壁面収納の設置です。空間の余白は圧迫感の軽減に繋がります。壁面収納は、高さや奥行きを考慮し空間に合わせた適度なサイズを選び、空間に余白を作りましょう。

2つ目は、遠近感を強調した壁面収納の設置です。平面的なデザインは圧迫感を生み出しやすい傾向があります。逆に、奥行きに変化をつけると遠近感が生まれ、お部屋を広く見せる効果を発揮します。遠近感を強調するアイテムとして、間接照明や鏡の設置が効果的です。鏡によって目に映る物の位置に差を感じさせ、奥行きを演出できます。
壁面収納を設置する際は、サイズ選びや遠近感を意識し、少しでも圧迫感を軽減しましょう。

2.見せる収納を活用

見せる物と隠す物の明確化は見せる収納のおしゃれさに繋がります。生活感が出過ぎたり、散らかった印象を与えるアイテムは隠す収納をし、形やサイズ、デザインの統一されたアイテムは見せる収納をしましょう。使用頻度の高いアイテムは見せる収納を活用し、出し入れしやすくするのがおすすめです。隠す収納は、見せる収納に比べて、出し入れの手間はありますが、お部屋全体にスッキリした印象を与えます。

見せる収納と隠す収納の組み合わせによって、お部屋にアクセントを生み出し、おしゃれな収納を実現しましょう。

小物をインテリアとして活用する

お気に入りの小物をインテリアとして活用し、おしゃれな雰囲気を演出しましょう。インテリアとして活用すれば、生活感を適度に減少できます。小物を活用するには、小物の色やサイズ、素材など、他の収納物とデザイン性や雰囲気を統一するのがポイントです。

お部屋の雰囲気に合わない物は、おしゃれな小物入れに収納するなどして、お部屋の統一感を守りましょう。

3.生活動線の確保が必要

生活動線を確保した後で、壁面収納を設置しましょう。
壁面収納の本来の目的は、おしゃれなお部屋の演出ではなく、十分な収納スペースを確保した上での、住みやすいお部屋のコーディネートです。
おしゃれ重視で住みにくいお部屋になってしまうと意味がありません。

生活動線を確保し、壁面収納の位置を決めた上で、他の家具の配置を決めると、おしゃれさと暮らしやすさが両立できるため、おすすめです。

壁面収納のお部屋別アイデア

壁面収納でお部屋をおしゃれに見せるポイントを紹介しました。今回はリビング、玄関、ベッドルームごとに壁面収納アイデアを紹介していきます。
それぞれのスペースのメリットなどを踏まえてご自身の好きな場所を選んでみてください。

壁面収納のお部屋別アイデア

リビング

リビングは家族が一緒に過ごす時間が長いため、壁面収納を設置し見せる収納を楽しむのに適した環境です。視線が集まりやすいテレビ台付近は、壁面収納に自分の好きなコレクションや家族写真を飾れば、いつでも見せる収納を楽しめます。圧迫感が苦手な人は、テレビ台付近にローボードと飾り棚を組み合わせた壁面収納の設置によって、収納スペースを確保しつつ、開放感のあるリビングが実現可能です。

使用頻度の高い掃除用具やAV機器を扉付きの壁面収納で隠し、部屋の統一感を維持すれば、おしゃれさと使い勝手を両立できます。

玄関

収納スペースが限られているため物が溢れがちな玄関ですが、壁面収納によってスッキリとした空間にできます。生活感を抑えたい人は扉付きの壁面収納で靴などを隠し、統一感のある玄関を演出しましょう。扉付きの壁面収納による圧迫感を抑えるため、開放感を生み出す鏡の設置もおすすめです。

扉なしの壁面収納は収納物が即座にわかるため、使い勝手のいい玄関にできます。見せる収納として小物入れを活用し、はんこなどの玄関で使用する小物を収納すれば、物を取りに行く手間が省け、家の物の減少にも繋がります。また、玄関扉にフックを取り付け、キーケースなどの外出必需品を収納すれば、忘れ物予防が可能です。

ベッドルーム

本来デッドスペースとなっている壁面に衣類を上手に収納できれば、アパレルショップのような雰囲気の部屋が演出できます。ハンガーなどの小物にもこだわり、お気に入りの衣類をおしゃれに収納しましょう。また、鏡の設置によって使い勝手も良くなり、お部屋を広く見せられます。

なにかと多いベッドルームの小物は、おしゃれに収納しましょう。狭いベッドルームをあえて大胆に壁一面を壁面収納として利用する方法もあります。洋書やオブジェを設置すれば、手軽に海外のおしゃれなお部屋ヘと演出可能です。

壁面収納におすすめの家具や選び方とは?

壁面収納におすすめの家具や選び方とは?

壁面収納におすすめ家具

壁面収納家具にはさまざまな種類がありますが、おしゃれで使い勝手のいいおすすめ家具をご紹介します。家具によって適している設置環境や収納物が異なるため、家具の性能に合わせた収納を心がけましょう。

ウォールラック

ウォールラックは壁にネジなどで留めて設置する壁面収納家具です。棚の足が無いため、壁のスペースに合わせた設置が可能で、スッキリとした印象を演出できます。
しかし、ウォールラックには壁の素材や柱の有無によって設置できない場合があるため、注意が必要です。また、壁にネジなどで留める設置方法のため、耐荷重が軽くなり、収納物が限定的になります。小物などの軽量のアイテムの収納がおすすめです。収納物のテイストを合わせれば、見せる収納も可能になるため、おしゃれなお部屋を演出できます。

壁面収納家具の選び方

壁面収納家具には奥行きがあるタイプや薄型のタイプまでさまざまな種類の中から、適したタイプを選択できるのが、壁面収納の魅力の1つです。しかし、さまざまな種類があるからこそ家具選びは苦戦してしまいます。壁面収納家具の選び方を理解して、お部屋に合った壁面収納を設置しましょう。

奥行き・高さを意識する

壁面収納家具の設置には奥行きと高さを意識する必要があります。収納物と設置スペースのサイズによって壁面収納家具の選び方は異なります。
薄型の家具は、収納物は限定されますが、家具自体の圧迫感は少なく、スペースを気にしない設置が可能です。幅が無い分、高さや重量がある場合は、壁面収納家具自体の安定感が不足する傾向があります。
収納物のサイズもかなり限定されるため、壁面収納を設置する前に収納したいアイテムが収納可能かどうかの確認が大切です。

高さのある壁面収納家具は、天井付近まで多くのアイテムを収納可能で、デッドスペースを作らず、省スペースでお部屋を片付けられます。しかし、天井付近に作られた収納スペースは出し入れしにくいため、使用頻度が高いアイテムを収納する場合は、背の低い壁面収納家具がおすすめです。
また、マンションと戸建では天井高が違う場合が多いため、しっかり計測する必要があります。計測せずに壁面収納を設置すると、サイズが大きすぎるため、設置できない可能性があります。奥行きと高さを意識し、設置トラブルを避けましょう。

置き場所に合わせる

小型から大型までさまざまなタイプがある壁面収納家具の中から、置き場所に合わせたタイプの家具を設置しましょう。収納スペースの広い大型キャビネットは存在感があるため、リビングなどの広いスペースを確保できる空間がおすすめです。
扉付きの壁面収納は生活感を抑え、スッキリと片付けられるため、お部屋の統一感を維持したい場合に活用しましょう。
また、小型ラックや薄型キャビネットは省スペースに設置可能で、圧迫感が少ないのが魅力です。場所を選ばず設置できるため、玄関やトイレ、キッチンなど狭い空間への設置が適しています。
食器や瓶類など割れ物を収納する場合が多いキッチンでは、収納物が落下しにくい安定感のある家具を選ぶ必要があります。扉付きの家具を選ぶのも1つの方法です。しかし、いくら安定感が合っても、耐荷重を超えてしまうと、収納物が落下したり転倒する恐れがあるため、注意しましょう。

扉の開閉方法を選ぶ

収納物に合わせて、扉の開閉方法を選びましょう。扉の開閉方法には、扉を手で軽く押すだけでスムーズに開くタイプや、上から下へ、下から上へ開く、フラップ扉など多くの種類があります。
テレビ周りの壁面収納の場合、下開きのフラップダウンであれば、扉が邪魔にならず、録画機器などの操作がしやすくなります。
天井付近のスペースは上開き扉を設置すれば、片手でも扉を開けやすく、作業しやすい環境を維持できます。また、上開き扉は、扉の枚数が少ないため、扉間の縦ラインが少なくなり、キレイにスッキリした印象を演出できます。
扉の開閉方法によっては、扉を開くスペースが必要になるため、壁面収納を設置する前に扉の前のスペースを確保できるか確認しましょう。

壁面収納をおしゃれにするポイントまとめ

壁面収納は省スペースで大きい収納スペースを確保できるツールです。圧迫感に注意し、見せる収納を活用すれば、使い勝手とおしゃれさの両立ができます。
また、さまざまな種類の壁面収納家具の中からお部屋に適した家具を設置できたり、DIYによって自分好みのお部屋を演出できます。

しかし、壁面収納には圧迫感を感じさせやすく、生活導線の妨げになるデメリットも存在します。

本記事を参考にお部屋に適した壁面収納をセットして、生活しやすいおしゃれなお部屋を演出しましょう。

※ここに掲載されている情報は2023年8月17日時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。