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おばあちゃんとの新しい暮らし 2018.04.25 テーマ:リフォーム 「おばあちゃんとの新しい暮らし」第3回 おばあちゃんの車いす生活がはじまった

CHAPTER:03 おばあちゃんの車いす生活がはじまった

おばあちゃんの心配事?

おばあちゃんが引っ越してきて、もうすぐ半年が経つ。おばあちゃんも段々新しい家、そして新しい生活にも慣れてきたみたい。

「母さんとの暮らし、どうだ?慣れてきたか?」
夫からたずねられたとき、ずっと前から暮らしていた気がして、我ながら驚いてしまった。そう、まだ半年なのだ。
「私は慣れたわよ」
娘が突然、話に割り込んできて
「私も楽しいよ!おばあちゃん大好きだもん!」
と言ったあとで、やや表情を曇らせて
「あのね……ちょっと心配なことがあるんだ、最近よく腰をさすってるところを見かけるんだけど、大丈夫かなあ」
「おばあちゃん、腰が悪いの?」
「うーん、よくわからないけど、私が『大丈夫?』って聞いた時は、『歳だからガタがきてるだけ。』って言ってるけど…」
思わぬ話で、夫と顔をみあわせてしまった。
「そうなのね…教えてくれてありがとう。私も心配だからおばあちゃんに聞いてみるね」
夫もやや心配顔だ。

おばあちゃんの隠していたこと

夕食後、夫からおばあちゃんに聞いてみることにした。娘に席を外すように言ったけど、まったく聞く気がない。自分がいなければ、話は始まらないという顔をしている。
「そうだ、母さん。最近体調どう?腰が痛そうみたいだけど、大丈夫かな」
夫が聞くと、おばあちゃんはやや戸惑った様子で
「お前に体調を心配されるなんて、私も本当に歳をとったもんだねえ(笑)。見ての通り、まだまだ元気だよ」
わざとらしく腰をたたくふりをする。
「前に腰を悪くしたろ……また痛いんじゃないか?」
「何年前の話だい、もう大丈夫、なんともあるわけじゃないか」
「でも、わたし、この前、お部屋で、立ち上がるのも大変そうな、おばあちゃんの姿を見たよ」
娘が心配そうに会話に加わってきた。
「えっ!」と、大人3人が声をあげた。なるほど、これを言いたかったのか。
「……おやまあ、こりゃあまいったね」
おばあちゃんは、孫の指摘に、ばつが悪そうな顔をしている。
観念したのか、一緒に病院にいくことにしてくれた。

おばあちゃんと車椅子

翌日、病院から夫とおばあちゃんが帰ってきた。
「おかえりなさい、どうだった?」
「やっぱり悪かったみたいだ。今日病院行ってよかったよ。大分足腰にきてて、大事をとって車椅子をすすめられた」
「え、車椅子?」心配で、動揺が隠せなかった。
「でも、寝たきりとかにはならなさそうだ。ここで無理しないで、病院通いをして治していくよ」
おばあちゃんは小さい身体を、さらに小さくして聞いている。とてもショックを受けている様子。
それはそうだ。誰しも突然、車椅子になったら、ショックだし不安だ。
「でも、寝たきりにならなくてよかったじゃないですか」
「そうだよ、外出時に車椅子を薦められただけだよ」
「そうね……」
私たちの声も、今のおばあちゃんには下手な慰めにしか聞こえていないようだった。
一週間後に、車いすが我が家に届いた。おばあちゃんの車いす生活が始まったのだった。

車椅子生活がはじまる

外出時に備えて、まずは家で車椅子の練習をはじめた。
おばあちゃんは不慣れな手つきでぎこちなく車椅子を動かす。
「大丈夫ですか?お手伝いしますよ」と言うと、
「これくらい自分でできるから、大丈夫」
弱音も吐かず、一生懸命、車椅子を練習しているおばあちゃんの姿を見ると、(ああ、この人は、やっぱり夫のお母さんなのね)と感心してしまった。
「いつでもお手伝いしますから、遠慮しないでくださいね」
私はそっとおばあちゃんの部屋の扉だけ開けておいた。
まだ、さほど足が悪いわけではないので、自分で車椅子には乗れるが、その操作はややむずかしいようだ。これはちょっと私も、お手伝いの勉強をしなければならない。

車椅子で扉という難関

結論から言うと、おばあちゃんの車椅子は、意外に快適そうだ。
おでかけで車椅子を使うようになって、ほどなく1か月が経って、車椅子操作にも慣れてきたみたい。
曲がり角もすっと曲がれるようになり、ちょっとした坂なら自分でのぼっている。
さすがに段差があるときは、人手がやや必要だ。
でも、なにより困っているのが「扉」だ。
自動扉であればもちろん問題ない。でも、押したり引いたりするドアは難しいようだ。
「スライド式の扉はいいのよ、でもねえ、重たい開き戸なんかはしんどいわねえ」
やや悔しそうに言うのは、なんとも、おばあちゃんらしい。
「扉か…。いつか家の中でも車いすになるかもしれないし、家の中のことも少し考えておくか」
夫がこっそり耳打ちしてきた。そうね、なかなかいい案だ!

家のなかでも快適な車椅子生活を

先日、手すり設置をお願いした施工業者さんに車椅子のことを相談してみた。
扉のことを言うと、「なるほど」とうなずいて、
「おばあちゃんのお部屋とか、トイレのドアを、車椅子でも開けやすいようなドアにしましょう」
あいかわらず頼もしい発言だ。

さっそく見積と設計図をいただき、夫のお小遣いを減らすことを決定して(笑)、ドアの改築をスタートした。
一週間ほどして出来上がったドアは、ちょっと驚いた。
最近のドアの進化はすごい!
スライド式ドアで、車イスでも立ったままでも握りやすいにぎりバーで、指がはさみにくように枠と扉のすき間を広くしている。
なにより、少にぎりバーを少し押すだけで、勝手にゆっくり閉まるのだ。
扉を全開にしても、通行中は扉が閉まることはないし、勢いよく閉めてもバタン!とならずに、閉まる直前にブレーキがかかり、ゆっくり閉まる。
「なにこれ、自動ドア???」と娘がはしゃぐ。
本当にそうだ、これで車椅子でも、簡単にドアを開けたり閉めることができる。

これでおばあちゃんが少しでも快適に過ごしてくれるといいのだけど……、
それよりも娘がドアの動きが面白いのか、何度も開け閉めする。いい加減にしてほしいものだ。