壁に開いたネジ穴や釘穴、
どのように補修する?

壁面に写真やアート作品を飾る場合や、荷重の掛かる棚などを設置する際には、ネジや釘・画鋲・ヒートン(ヒモを通して使用する吊り金具)といった金物を使用することがほとんどではないでしょうか。模様替えや配置変更をするにしても、クロスに残ったネジ穴などが目立ち、「キレイに補修できないか」と頭を悩ませている方も少なくありません。
こちらの記事では、状況や状態にあわせたDIYでの補修方法をはじめ、規模によっては専門業者に依頼したほうが最適なケースなど、さまざまな補修方法をご紹介します。
また、クロスの貼り替えを検討する際も、全面ではなくデザイン性の高いクロスやアクセントカラーを用いた部分的な貼り替えなどもあわせて紹介していきますので、参考にしていただければ幸いです。
小さい穴なら、DIYで補修しよう

最もスタンダードな固定金物でもある画鋲や釘・ネジなどは、穴も小さくDIYで十分に補修が可能です。壁に開く穴の大きさも数ミリ程度であるため、技術を必要とせず補修材もホームセンターなどで販売されている「穴埋め用パテ」で対応できます。
パテ材といっても種類は豊富で、クロス下地調整用の水性のものから速乾性・粘着性の高いもの、細かな補修に特化したものなど、さまざまなものが用意されています。小さな穴の場合は、先端に注入用の細いノズルが付属しているものが扱いやすく、大抵の場合はこのタイプで問題ありません。
補修方法は穴に向かってパテを注入するだけと簡単で、クロスの表面に加工が施してある場合は馴染ませるように形を整え、しっかりと乾燥させれば完成です。メーカーによってはクロスの色調(ホワイト、アイボリー、ベージュなど)にあわせてパテ材の色を調合できるものもあり、違和感なく仕上げることができます。ネジ穴の場合は、引き抜き時に余分なクロス部分がはみ出し、補修の邪魔になることもあるので、ていねいにカットし取り除いておくとよいでしょう。
もし、開いてしまった穴の大きさが1cmを超えてしまうケースは注意が必要です。石膏ボードを貫通し下地材が見えない場合は、いくらパテを注入しても石膏ボードの裏側へ流れ落ちてしまい、穴をふさぐことができません。このような場合はバックアップ材といわれる専用の詰め物や粘着性のあるネットシートを利用するとキレイな仕上がりとなります。
どちらもホームセンターで入手できますが、綿と瞬間接着剤を使用して簡易的なバックアップ材をつくることも可能です。穴よりも大きめに綿をとり、ボードの裏側へ落ちない程度に詰め、瞬間接着剤を塗布します。完全に固まるとバックアップ材と遜色ない効果が生まれ、パテを盛ることができます。
賃貸物件などでは退去時に原状回復の義務があるため、上記の補修方法を活用することで、余分な補修費用を抑えられる可能性があります。
こんな場合はDIYではむずかしい

DIYで補修できる範囲にも限界があります。一般的には、5㎝を超えてしまうような大きな穴が開いてしまった場合や小さな穴が無数に開いているケースは、内装業者や補修業務を専門的に請け負う業者に依頼するほうが賢明です。
壁面に何かを飾る場合や、お子様のプリント類などを貼る際は、室内の中でも場所が決まっているケースが多く、必然的に穴だらけとなってしまうことも少なくありません。また、下地の石膏ボードを著しく損傷してしまっている場合も、クロスの貼り替えはもとより、石膏ボードの貼り替えや下地の調整、断熱材の差し替え、配線の引き直し、ジョイント部分を損傷してしまった場合は、複数枚のボードの貼り替えが必要となります。 材料費や道具を揃えるコストはもちろん、クロスの型番を調べ個人で取り寄せる労力や補修作業にも高い技術力が必要であることを考えると、リスクが高く仕上がりや品質・性能にも問題が生じ、住まいの寿命を縮めてしまう可能性もあります。
このようなリスク、コストの問題を考慮すると、損傷が大きい場合はDIYでの補修は避けた方が良いといえます。
クロスの補修? アクセントウォールという選択肢も

専門業者に依頼することになった場合は、どのような選択肢があるでしょうか。 前述したように、穴の程度や下地への影響などを考慮し、最適な方法をプランニングしてくれますが、まずは、ご自身がこの補修の機会をどのように活かすかを考えてみましょう。
複数の壁面に穴が開いてしまっている、経年により変色や汚損がみられるといった場合には、室内のクロスを全面貼り替えするのもよいでしょう。近年では調湿機能や消臭、有害物質の吸着、空気の浄化など、高機能を備えた壁紙も販売されており、自然素材のような効果を得ることができます。また、表面の加工もレンガ調・木目調をはじめ、デザイン性の高い加工を施したものなど、見た目にも優れた商品が展開されています。
補修を必要とする部分が壁一面にわたる場合は、アクセントウォールとして部屋の色調と差を設ける、差し色として際立たせる、デザイン性の高い壁材で質感を変えるなど、テイストの変化を取り入れてもよいでしょう。色が人に与える効果もさまざまで、集中力を高めたり、心を落ち着かせたり、創造力を掻き立てることも可能です。自然素材に近いものは、癒し効果を生むこともできます。
補修箇所が床面から低い位置に集中している場合は、腰壁を設置する方法もあります。ペットとの暮らしを快適にする特殊化粧強化シートを用いた耐傷性に優れたもの、高級感や重厚な印象を与える天然木素材・木目を活かし和モダンな雰囲気を演出する杉素材など、お部屋のテイストやこだわりにあわせて、さまざまな組み合わせを選ぶことができます。
壁のネジ穴や釘穴は小さなものであればDIY補修が可能です。ただし、損傷の程度によっては、DIYではリスクが生じてしまうのも事実です。状況を見極め、専門業者に依頼することも視野に入れながら適切に判断することが大切です。
また、こちらの記事を参考に、さまざまな壁材を使用した補修方法があることも知識として蓄えておきましょう。
※ここに掲載されている情報は2023年6月時点のものであり、ご覧いただいている日と情報が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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