

崎田 裕子 氏
ジャーナリスト・環境カウンセラー
中・長期的な地球温暖化対策をはじめ、緊急の東日本大震災の復旧・復興において、建材メーカーの果たす役割は大きいと考えます。
トップメッセージにあるように、「CSRを経営に組み込み、本業で社会に貢献する」姿勢は重要であり、特に震災直後に自社工場の復旧だけでなく、復興支援に積極的に乗り出しておられる事を高く評価します。
また、創業以来重視しておられる「木材資源の有効利用」と「未利用資源の有効活用」は、国内外の森林資源の維持・発展に欠かせません。国産材、植林材、リサイクル材など木質資源の持続可能な利用を推進し、特にインシュレーションボードなど端材を有効活用した「エコ素材」による安全・安心、快適性を提供する取り組みは重要と考えます。
新築住宅の着工戸数が減少する中、2015年を目標に策定された中期経営計画では、成長市場を「リフォーム」「海外」「産業資材」「エンジニアリング」に特化し、高い経営目標を掲げておられます。特集では、担当責任者や従業員の意欲の高さを直接知る機会となっています。顔が見えるレポートは、従業員を大切にする社風とともに、社会との信頼を築く証しともなります。
また、2010年にCSR委員会を立ち上げ、経営、社会、環境の3側面からの活動方針を決定し持続可能な社会を目指す視点を明確にしたことは、素晴らしいと考えます。具体的には、2010年の「CSR活動の取り組み状況」「2010年度までの中期環境計画の実績」はほとんど目標を達成しています。特に、3R推進による廃棄物埋立量削減と、生産部門のCO2排出量削減は大幅にクリアしています。CO2排出総量は横ばいながら、排出原単位は年平均6%削減しており、重油からLNGへの燃料転換や、バイオマスボイラー増設などが功を奏しています。一方で「生態系に配慮した調達」「木質繊維板の回収システム整備運用」「製品開発のLCA実施」などは取り組みの一層の充実を望みます。重要なテーマになるほど取り組みにエネルギーが必要だということは理解できるので、目標設定の妥当性や他のテーマも含めた優先順位を決め、PDCAサイクルを回し改善していただきたいと考えます。
今後、経営改善が進むとともにCO2排出総量は増加すると考えられ、再生可能エネルギーの導入など、もう一歩徹底した燃料転換を期待します。
中期経営計画では、消費者とのコミュニケーションを強化し、「消費者目線」の事業活動の見直しを強調しておられます。顔の見えるレポートに女性社員が登場することを含め、多様なステークホルダーとの信頼関係をどう構築するのか、今後に大いに期待したいと考えます。

上席執行役員
経営企画部 副部長
兼 CSR推進室 室長
島田 睦博
DAIKENグループは、これまで「エコ素材」を中心とする素材開発と建材などへの展開で環境配慮の製品づくりを行ってきました。今回の東日本大震災では、当社が提供する素材の重要性と供給に関する社会的責任の大きさを実感しました。本報告書では「環境配慮の素材」と「暮らし価値」を重視した事業のあり方がCSR活動に結びついていることを、ステークホルダーの皆様により分かりやすく共感いただけることを目指して発刊しました。第三者意見では、未達成項目の目標設定の見直しや女性従業員の活躍の紹介などの課題をご指摘いただきました。生態系への配慮は木材を扱うメーカーとして急務であると認識しています。また、女性が活躍できる職場づくりは、取り組みを推進中です。今後とも、「人と空間・環境の調和」に根ざした活動を推進します。